ではInstagramなら問題ないのかというと、やはりそうではない。すでにInstagramも、10〜20代のキラキラ女子だけの場ではなくなっている。
実は、Instagramでも「#自撮り女子」は普通の自撮り写真ばかりなのだが、「#裏垢」「#裏垢女子」は出会い系の投稿があふれている。露出の多い写真や、LINEでつながって個人的なやり取りをするよう求めるアカウントばかりとなってしまう。
最近、これと合わせて目立つのが、Instagramにおける副業詐欺だ。「#在宅ワーク」「#副業」あたりのハッシュタグで調べると似たような投稿が多数見つかる。「スマホだけで月収70万円」「完全在宅」などをうたいつつ、子どもの写真を投稿していることが多い。明らかに、子育てや家事などで時間がない主婦をメインで狙っていると見られる。
すべてに共通するのは、肝心な副業内容については一切明かさず、LINE IDを公開しており、LINEでのやり取りを求めていることだ。連絡をとると「儲かるから」と通販サイトを構築するためのパッケージ商品の購入を勧めてくる。Instagram上でパッケージ商品を紹介して売るための権利も込みとなっており、他人に売ることで利益が得られるという触れ込みだが、大抵の場合はお金を失って終わりになる詐欺まがいの商品ばかり。
このようなアカウントは、Instagramをしていると向こうからフォローしてくることが多い。よく見ると、Instagramのアカウントは違うのに、自己紹介文はまったく同じでLINE IDも同じということがよくある。複数のアカウントを作って手当たり次第にアクセスしているというわけだ。
このように、10代の利用するTwitterやInstagramはまったく安全な場ではなくなっている。彼らが知らない間に事件に巻き込まれないよう、周囲の大人は注意して見守ってあげてほしい。
高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディア等の記事の執筆、企業等のコンサルタント、講演、セミナー等を手がける。SNS等のウェブサービスや、情報リテラシー教育について詳しい。
元小学校教員。
『スマホ×ソーシャルで儲かる会社に変わる本』『Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本』(共に日本実業出版社)他著書多数。
近著は『ソーシャルメディア中毒 つながりに溺れる人たち』(幻冬舎)。
ブログ:http://akiakatsuki.hatenablog.com/
Twitter:@akiakatsuki
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