もちろん、CES 2018は参加者が会場内で自動運転技術についてただ語り合うだけのイベントではなかった(米CNETによる自動運転車のパネルディスカッションでは、実際に語り合ったが)。自動車メーカー、サプライヤー、ソフトウェアメーカーが、ラスベガス・ストリップの至るところで自動運転車を実際に披露したのだ。
まずは、AptivとLyftがBMWの自動運転を披露した。参加者も実際に乗車して、ラスベガス市内20カ所以上の拠点まで乗っていくことができた。また、Torc Roboticsもラスベガスの通りで自動運転を実演し、ほかにも多くの企業が、今や大勢がひしめく舞台で注目を競い合った。
Amazonの音声アシスタント「Alexa」は、最近のテクノロジ業界でもっぱら注目の的だ。どの企業も、スマートスピーカから皿洗い機、そして自動車まで、あらゆるものにAlexaを内蔵する方法をこぞって検討している。
Speak Musicの「Muse」のような、アフターマーケットのAlexa導入例は、至るところに見られる。かと思えば、Garminは、同社の廉価なユニバーサルパッケージにドライバー支援技術をもたらす前方監視カメラを追加して、Alexa対応カーキット「Garmin Speak Plus」を競合製品から差別化しようとしていた。
だが、CES 2018は、Googleが自社の「Googleアシスタント」ソフトウェアを手に反撃に出た年として記憶に残るだろう。すでに定評のある「Android Auto」システムにGoogleアシスタントを統合することで、Googleは大いに弾みをつけた。自動車メーカーのほか、特にPioneer、Alpine、JVCケンウッドといったアフターマーケットサプライヤーをパートナーとして、Android Autoの新しい無線接続技術と、Googleアシスタントのスマート機能をアピールするのが狙いだ。
一方、Mercedes-Benzは独自の技術をアピールする道を選び、新たなインフォテインメントシステム「Mercedes-Benz User Experience(MBUX)」を発表した。独自のスマート音声コントロール、人工知能、分かりやすいインターフェースが特長で、同社のAクラスには今後MBUXの搭載が増える見込みだ。
電気自動車(EV)のメーカーやスタートアップ企業も、各社の車両をアピールする舞台としてCESを選んでいる。CESに登場したEVも、実に多彩だった。
Genovationsによる「Corvette」のEVで800馬力の「GXE」や、Faraday Futureによる「FF 91」など、高速を競うEVがCESに登場し、時速0-60マイル(約100km)加速3秒以下のスプリントを披露した。
さらに、起亜自動車のコンセプトEV「Niro」や、まもなく販売開始を予定している現代自動車(ヒュンダイ)の燃料電池車SUV、さらにBYTONのコンセプトEVなど、多くの電気SUVが登場した。特に、新興のBYTONは5Gネットワーク接続や、Teslaに匹敵する性能と航続距離、自律運転のプラットフォームなどをうたって関心を集めた。ダッシュボードやハンドルに搭載された大型ディスプレイも注目された。
また、Workhorseが電動ピックアップトラックの先駆けでもある「W-15」を披露した。フル充電の状態で航続距離は80マイル(約129km)だが、発電用エンジンを稼働させることで、航続距離をさらに310マイル(約499km)伸ばすことができる。
最後に余談だが、CES 2018ではBMWが「M5」のデモで最長ドリフトのギネス世界記録を更新し、話題を集めた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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