The Walt Disney Companyは米国時間12月14日、21st Century Foxの複数の主要事業を524億ドルで買収すると発表した。NetflixやAmazonといったデジタル事業大手との競争が激化する中、ハリウッド映画会社が連携を図る。
買収対象は、21st Century Foxの映画およびテレビ事業や、ケーブルエンターテインメントネットワーク、海外テレビ事業など。英国の大手放送局Skyも対象となる。Disneyは、動画配信サービスHuluの経営権も取得することになる。
買収総額は、Foxの負債137億ドルを含めて661億ドル相当となる。
買収に伴い、Disneyは世界最大の従来のメディア企業としての地位を固め、高い人気を誇るFoxの「X-Men」「Deadpool(デッドプール)」などのコンテンツを傘下に収めることになる。Disneyは既にMarvelを保有しており、「Star Wars(スターウォーズ)」などのコンテンツを持つ。
Disneyの最高経営責任者(CEO)を務めるBob Iger氏は、投資家やアナリストらとの電話会議で「この買収は、革新的な技術と進化する消費者の期待によって特徴づけられるようになりつつあるメディア業界の構図の変化を反映している」と述べた。「力を持つ今日の消費者の要求は高まっており、消費者はより魅力的で高品質なエンターテインメント、コンテンツへのアクセスのしやすさ、さらなる選択肢と利便性を求めている」(Iger氏)
Iger氏は、Disneyとの契約を2021年末まで延長した。買収には、規制当局のほか、Disneyと21st Century Fox双方の株主の承認が必要となる。
この合併により、AmazonやNetflixといった資金の潤沢なハイテク企業と競争するためのリソースを持つハリウッド映画会社が誕生する見通しだ。AmazonやNetflixは、成長が著しく、高く評価されているメディア制作に多額の予算を投じている。
Disneyは8月、自社の最も人気の高い映画をNetflixに提供する契約を終了し、独自の動画配信サービスを開始すると述べていた。
Iger氏は、拡大後のDisneyが必ずしも、Hulu、Foxの資産、Disneyが計画するエンターテインメントとスポーツ配信サービスを理論上巻き込む大規模配信サービスによる、いわゆる「Netflixキラー」を構築しようと考えているわけではないとした。
「もちろん、消費者に(同社の配信サービス)全体を購入する選択肢をもたらすが、消費者にサービスを提供する最良の方法は、欲しいものを選択できるようにすることだとわれわれは考えている」(Iger氏)
同氏は、Huluがより大人向けの番組を提供し、計画されているDisneyブランドのサービスはDisney、Pixar、Marvelなどの家族向けコンテンツを提供していく可能性を示唆した。
さらに同氏は、DisneyがHuluの経営権を取得することで、Huluに「より多くのコンテンツを提供」できるようになると述べ、Huluの運営は「これまでよりもう少し明確に、効率的に、効果的に」なるだろうと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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