11月7日〜11月13日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。
AppleはiPhone Xに初めて搭載した顔面認証システムFace IDを、重要な武器として活用しようとしている。
iPhone Xの前面をすべてディスプレイで覆うデザインを実現するため、10年間さまざまな機能や操作性を担ってきたホームボタンを廃止した。これに伴い、ホームボタンに内蔵されていた指紋を用いた生体認証であるTouch IDから変更することにしたわけだ。
通常のカメラと赤外線カメラ、ドットプロジェクタによって構成されるTureDepthカメラを組み込み、正確に人の顔の深度を計測できるようにする。読み取ったデータは、数学的モデルへと変換しセキュアに保管しながら、ニューラルネットワークを用いて顔の変化やアクセサリ、メガネ、ヘアスタイルなどの変化を学習していく仕組みを構築した。
AppleはFace IDを含む操作性を、既存のiPhoneとミリセカンドも遅くならないように注意深く設計したとしている。TrueDepthカメラの小型化以上に、受け取ったデータを機械学習処理するスピードがネックになりがちだったが、これをA11 Bionicプロセッサによって解決した。
Face IDの仕組みは5年もの歳月をかけて作ってきたとも明かしており、Touch IDが搭載される以前から顔面認証の方式が検討されていたことが分かる。
Appleは2013年にiPhone 5sで初めて搭載した指紋認証のTouch IDを、3年かけてより幅広いラインアップに対応してきた。
iPadは第4世代以降のモデルに採用され、現行モデルであるiPad Proシリーズにも引き続き採用されている。また2016年モデルのMacBook Proには、「Touch Bar」と呼ばれる有機ELディスプレイと独立したチップT1で動作するfunctionインターフェースを用意し、その右端にTouch IDを内蔵するボタンを配置した。
非常に単純に考えれば、現在Touch IDが搭載されている他のiPhoneにも、早ければ2018年からFace IDが搭載されていくことは、推測に容易い。特にiPadやMacBook Proにはすでに内側のFaceTime HDカメラが搭載されており、iPhoneほど搭載するスペースの確保が難しくないと考えられるからだ。
AppleはTouch IDによって、モバイルデバイスのセキュリティを高めながら、操作性も高める、そんな価値を作り出し、個人はもちろんだが、エンタープライズ企業向けの導入で成果をあげている。
2016年3月に起きた米国カリフォルニア州サンバーナーディーノでの銃撃事件に関連し、FBIから出された容疑者のiPhoneのロックを回避するソフトウェアの提供の要請を拒否した点も、直接Touch IDには関わらない問題ではあるが、製品の顧客の情報を安易に捜査当局に渡せる状態にはしない、という姿勢を示した点で、信頼感を与えている。
セキュリティやプライバシーは既にApple製品の価値の一部となっており、Face IDがTouch IDよりも誤認識率を大幅に下げている点も考えれば、iPadやMacBook Proといった製品にFace IDを搭載していくことに、疑問はないのだ。
Face IDはセキュリティ、プライバシーの向上に効果的かつ、見るだけ、というほぼ動作がないかたちで生体認証を済ませる手軽さを実現している。しかしTouch IDを搭載するホームボタンには、iPhoneの操作をより便利にするさまざまな機能が割り当てられてきた。
例えば、ホームボタンを2度タップするだけで届かなかった画面上部のボタンなどを手前にたぐり寄せる「簡易アクセス」機能や、トリプルクリックで呼び出せるアクセシビリティのショートカットなど、操作性を補助する役割もあった。
TrueDepthカメラは現状、こうしたiPhoneを操作する上でのインターフェースの補助としての役割を担っていない。Touch ID付きのホームボタンを上回っていくのであれば、TureDepthカメラを活用したiPhoneの操作の可能性を検討していくべきではないだろうか。
候補としてあげられるのは、視線入力や身振り手振りのジェスチャーによる入力だ。これらは必ずしも新しい技術ではなく、すでにさまざまなデバイスで実現できていることだ。
こうした操作方法を確立していく上では、アクセシビリティの機能として出発した方が、より便利で精度の高いものになっていくだろう。そしてこれは、Appleが得意とするアプローチでもある。
アップル、イメージセンサ技術のInVisageを買収--「Face ID」に活用の可能性も(11/13)iPhone Xが発売されて1週間以上が過ぎた。まだまだ在庫状況によっては、手に入れにくい状態が続いている。iPhone Xを日常的に操作する上で最も大きな変化は、ホームボタンがない操作だ。
インターフェースは多くの場合、人々が慣れた方法が最も使いやすいと考える。10年間iPhoneにはホームボタンがあるものとして使ってきた人にとって、それがなくなることに多少の違和感があるのは仕方のないことだ。
それでも、おおむねフリックというシンプルな操作でホームボタンを代替しているのは、多くの人にとってスムースな移行できるのではないだろうか。
使い始めて1週間くらいは、無意識にホームボタンを押し込もうとしてしまうかもしれない。実際筆者もそうだったが、だんだん慣れてくると、フリック操作が快適になってくる。
使って分かった「iPhone X」(後編)--ホームボタン無しの操作に慣れるまで(11/09)Appleは2017年第4四半期決算で、7月から9月のiPhoneの販売台数は4670万台だったと報告した。この数字は前年同期比で微増であり、売上高も同様に微増という結果だった。
調査会社Canalysは、同時期のiPhoneの出荷台数に関して、機種別の内訳を示している。これによると、販売台数が最も多かったのはiPhone 7で1300万台だった。これはスマートフォン市場全体の中で、単一機種として最も多い出荷台数だった。
2016年モデルのiPhone 7に次いで出荷台数が多かったは、同じAppleの2016年モデルであるiPhone 6sで790万台だった。2017年の最新モデルとなる5.5インチのiPhone 8 Plusは630万台、4.7インチのiPhone 8は540万台で、合計1180万台を出荷した。それでも、2016年モデルの4.7インチiPhone 7一機種には及ばなかった。
「iPhone 7」がQ3スマホ出荷首位、「iPhone 8 Plus」は「iPhone 8」上回る--Canalys(11/10)Appleは2017年6月にiOS 11を発表した際、「世界最大の拡張現実プラットホーム」であると強調した。
iOS 11を導入した、プロセッサ、グラフィックスの性能が十分なA9プロセッサ移行を搭載するiPhone・iPadでは、AR Kitを用いて開発されたアプリを実行することができる。カメラを用いて現実世界に情報を多重化したり、人などのオブジェクトを装飾する体験を楽しめる。
Appleは拡張現実が、未来の技術である点を強調する。ゲームだけでなく、教育や仕事効率化を含むあらゆる分野のアプリで、拡張現実が重要な技術になる、と繰り返し指摘する。
そうした拡張現実アプリの充実を加速させ、人々に体験をより届けやすくするためのデバイスを計画していると、Bloombergは伝えている。
Appleによる拡張現実メガネへの取り組みは、すでに噂されてきたが、Facebook傘下のOculusやHTCがスタンドアロン型の仮想現実ヘッドセットを相次いで発表していることから、Appleのデバイスにも注目が集まりやすくなっている。なお、Microsoftの「Windows Mixed Reality」向けのヘッドセットもあり、Appleの取り組みはMicrosoftのものに近いと位置づけられる。
アップル、2020年をめどにARヘッドセットを開発か(11/9)AppleとSamsungとの間で争われてきた「スライドしてロック解除」や「クイックリンク」などの特許に関する訴訟について、SamsungはAppleに支払う1億2000万ドルの賠償金を命じられた評決について見直しを求めてきたが、その要請が棄却された。
また、イスラエルの企業Corephotonicsは、Appleが搭載するデュアルレンズカメラ技術が、同社の特許を侵害しているとして、米国カリフォルニア州で訴えを起こした。AppleがiPhone 7 Plusでデュアルレンズカメラを搭載したのは2016年で、2017年モデルのiPhone 8 PlusやiPhone Xにも、背面に2つのカメラを搭載し、望遠撮影やポートレートモードを実現している。
米最高裁、賠償金見直しを求めるサムスンの訴えを棄却--アップルとの特許訴訟(11/7)CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
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