日本を飛び出し世界で自分の力を試したい、グローバルな舞台で働きたい——。そんな海外志向の強いビジネスパーソンがキャリアアップやキャリアチェンジの手段として考えるのが、MBA留学だ。経済・経営の専門職学位であるMBAは、大企業でも幹部候補を海外留学させるなど必須のキャリアパスだといわれている。
しかし、大企業だけではなく、起業、スタートアップなどスモールビジネスでも世界を舞台に挑戦できる現代において、MBA取得は必須なのだろうか。IT革命によって職種の幅が広がった現代だからこそ、海外留学の目的も多様になっているはず。そんな海外志向の若者の受け皿となる教育機関が2016年9月、スペインの首都バルセロナで開校した。テクノロジとデザインに特化した私立大学の「Harbour.Space University」である。
バルセロナ市の援助のもと、マッキンゼー・アンド・カンパニー、BMW、カスペルスキーなどの外資系企業がパートナーとなって創立されたHarbour.Space University。バルセロナの一大観光地として人気が高いポルトベイに位置する。
MSL(Math as a Second Language)を教養課程として、コンピュータサイエンス、データサイエンス、サイバーセキュリティ、インテグレーションデザイン、ハイテクアントレプレナーシップ、デジタルマーケティングの6学部があり、専門課程は1・2年のカリキュラムで、学士、修士レベルの学位を授与される。1年間のインテンシブコースもあり、いずれも3週間1モジュール制となっている。授業はすべて英語で実施される。
この大学の際立った特徴は、世の中をとりまくデジタル環境を重視し、アカデミックなプログラムとスタートアップアクセラレーターやベンチャービルダーなどの実践を前提とした講義を展開し、次世代で成功する専門家、アントレプレナーの育成に力を注いでいることである。
創立者の1人でCEOでもあるロシア出身のSvetlana Velikanova氏は言う。「テクノロジとデザインに特化した欧州唯一の大学として、従来の教育制度を変革し、今の時代にマッチした教育および環境を学生に授けたい。大学を卒業した途端、学生たちはリアリティにさらされる。リアリティとはデジタル環境であり、対個人のつながりだ」。
講義は3時間で、講義時間外は、自らのプロジェクトや課題に取り組むことが要求される。レクチャー、プレゼンテーション、グループディスカッション、ケーススタディ、チームプロジェクトなどスタイルも多岐にわたっており、パートナー企業と協働する機会も与えられるという。
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