貸しスペースの用途が大きく広がってきている。会議室やミーティングルームなどのBtoB向けはもちろん、ママ会、パーティ、バーベキューなど、BtoC用のスペースとしても、需要は右肩上がりだ。
2014年に時間単位で施設や店舗を貸し借りできるマーケットプレイス「スペースマーケット」を立ち上げシェアリングエコノミー業界をリードしてきたスペースマーケット代表取締役CEOの重松大輔氏に、日本では事例の少なかったこの業界の会社をなぜ立ち上げようと思ったのか、そしてどうやってこのビジネスを根付かせてきたのかを聞いた。
――設立された2014年当時は、シェアリングエコノミーという言葉自体も珍しかったではないでしょうか。
そうですね。日本にはまだビジネスとして根付いていませんでしたが、海外ではすでに立ち上がっていて、必ず(シェアリングエコノミーが求められる時代が)くるだろうと思ってスタートしました。
貸しスペースサービスとして、検索サイトなどはありましたが、決済まで一括してできるサービスはなかったので、そこがポイントでした。レンタルスペースは、エリア、用途、価格などのほか、最近特に要望の多い「キッチン付き」など目的にあった設備でも探せるようにしています。
スペースマーケットは、スペースの貸し手と借り手をマッチングするプラットフォームで、具体的な条件はホストと借り手の方が直接やりとりして決済できます。
――どんなレンタルスペースの人気が高いのでしょう。
最近ですと、パーティと会議、あとはイベントが多いですね。今のシーズンですとハロウィン、忘年会、クリスマス関連のパーティ、イベントが増えていて、これは前年比500%増くらいです。あと多いのは写真、動画の撮影。ハウススタジオを借りるよりもコストパフォーマンスがいいですから。
貸しスペースは個人宅から、会議室、映画館、結婚式場などさまざまですが、面白いものだと廃校や寺院、議事堂などもありますね。使っていない時間を貸し出していただくイメージで、映画館などはかなり借り手が多いですね。
現在取り扱い数は1万2000スペース程度。最近はママ会の人気が特に高くて、お子さん連れでも気兼ねなく楽しめるところが受けているようです。
――貸しスペースはどうやって集めているのですか。
オーナーの方に交渉をする専門の部隊もいますが、現在最も多いのは、問い合わせですね。ウェブサイトにも「スペースを掲載する」問い合わせフォームを設けています。
ただ、スタート時はとにかく場所の確保が最優先でしたから、集まるまでは大変でした。サービスがメディアなどで話題になったり、スペースを借りて実際に使ってみたりすると、今度は自分が貸し手になってみようなどの動機が出てくるんですが、そこの積み上げまでは時間がかかりましたね。
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