ここで、BTG以外のBTC派生コインについても少し触れておく。
前述の通り、BTG、BCH、B2XのどれもがBTCのスケーラビリティ問題を解決する試みだが、技術的な解決のアプローチは全く異なっている。
なお、スケーラビリティ問題の解決について現時点で絶対的に正しい解答は存在しないため、上記の全てが問題解決のための最良の解となり得るし、どれが間違っているということでもない。どの手法が最適かは、今後市場で決まっていくだろう。
取引所での取り扱いの観点からは、また別の議論も存在する。
BCH、BTGの2つはBTCからハードフォークで誕生したものの、その取り扱いはアルトコインに近いとされておりBTCとの共存も可能と言われている。
一方でB2Xについては、取引所によってはBTCの正統後継とみなされており、BTCと入れ替わる形での採用も検討されているという。仮に入れ替わりとなる場合には、取引所によって“BTC”が指すものがオリジナルのBTCとB2Xで異なるといった事態が起きる可能性もある。
BTGについては、各取引所も懸念する通り、導入に際してまだまだ不安定な要素も多い。技術面のほか、運用面での心配も存在する。
リプレイアタックとは、ブロックチェーンの技術的特徴を悪用した不正な活動。ハードフォークが起きてブロックチェーンが2本に分岐した際、オリジナルのブロックチェーンで実行した取引と同様の活動が分岐後のブロックチェーンでも起こる(分岐後のブロックチェーンで実行した取引はオリジナルにはコピーされない)。
これを利用し、以下の行為などを繰り返すことを指す。
いずれもBTGが実装されればある程度判明する点ではあるものの、問題によってはオリジナルのBTCにも影響する可能性があるため、各取引所の発表、開発者の発表には今後も注意を払う必要がある。
BTGの取り扱い予定についてだが、10月23日現在、BTGを取り扱う可能性があると表明している国内の取引所は以下などがある(例示的に列挙)。なお、BTGを付与し上場する可能性がある、BTGを付与する可能性はあるが上場は未定、など取り扱いの方針は取引所によって差異がある。
すでにBTGの分岐は開始されているが、BTG付与の時期、条件などは各取引所の発表を参照されたい。
最後にビットコインの今後の動向について、私見を述べる。
前回のBCHのハードフォークに際して「タダでトークンが付与された」こともあり、ここ数日は二匹目のドジョウを狙った投機的な資金が流入、ビットコインの価格がこれまで以上に加熱感を帯びてきているようにも思われる。
筆者としては仮想通貨の益々の発展を希望していることもあり、多少の乱高下があろうとも仮想通貨を持ち、応援し続ける意向に変わりはない。しかし同時に、ビットコイントレード自体はまだまだ未熟な市場であり、たとえば株式市場などに比べてはるかにリスクが高いことも疑いないと考えている。
今日これからビットコインの購入を検討している読者がいるとすれば、筆者として止めることも勧めることもしないが、きちんと自身で判断し、責任を持つと決めた上で投資するかどうか判断してほしい。 適切な理解と期待感の中であれば、仮想通貨市場はまだまだ飛躍的に伸びていくと信じている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
「もったいない」という気持ちを原動力に
地場企業とともに拓く食の未来