個別化医療への応用へ--ヤフー、がん治療における遺伝子多型検査の有用性を実証研究

 ヤフーは9月6日、病気や薬、健康にかかわる情報を提供する「Yahoo!ヘルスケア」が取り組むプロジェクト「HealthData Lab」において、病気発症リスクや体質が調べられる一般向け遺伝子多型検査のがん治療における有用性を実証する共同研究を、九州大学病院別府病院、別府市医師会と連携して開始すると発表した。

 共同研究では、ヤフーが遺伝子多型情報(生涯変化しない遺伝子を構成しているDNAの配列のうち、個人差が現れる配列部位。SNP情報)を医療者が閲覧するシステムを開発。九州大学病院別府病院や別府市医師会を通じて、共同研究に参画する13カ所の別府市内のクリニックに提供する。

 九州大学病院別府病院や提携クリニックは、遺伝子多型情報から患者の持つ将来の健康リスクを予測し、個々の患者に合った治療法の選択に生かせる「個別化医療」へ向けた有用性を研究する。

 なお、共同研究の対象となる一般向け遺伝子多型検査は、ヤフーが2014年11月より提供しているサービスを活用。同サービスは、「医療」行為として提供していないため、利用者への遺伝子多型情報の開示の際には、「診断」に該当する箇所を省くなど、ごく一部に限定しているという。

 また、閲覧者を医療者に限定することで、これまでのサービスでは利用者へ開示できなかった多くの遺伝子多型情報の活用を実現し、より高度な個別化医療への応用を進めていく。

 同社によると、この共同研究では、希望するがん患者のみを対象としており、まずは約50名を対象に有用性を研究するという。ヤフーでは、今後も医療者の協力の下で医療分野の課題解決のために、行政や病院、大学などと積極的に連携を進めるとしている。

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