ASUSは8月17日、スマートフォン「ZenFone」のラインアップを一新し、2017年モデルとなる5機種を一気に発表した。Snapdragon 835を搭載するハイスペックモデルも登場するが、ミッドレンジクラスの製品を主体とし、カメラ機能を強化したラインアップが目立つ。2017年のZenFoneがターゲットとするのは先進国よりも新興国──そう感じさせるものだった。
ZenFone 4シリーズの標準モデルと言える「ZenFone 4」は、Snapdragon 660または630を搭載するミッド・ハイレンジクラスの製品が中心だ。その上位モデルとして「ZenFone 4 Pro」も登場する。こちらはSnapdragon 835搭載のハイエンドモデルで価格は599ドルとやや強気の設定だ。
一方ZenFone 4の下には、セルフィーを強化した「ZenFone 4 Selfie」「ZenFone 4 Selfie Pro」、バッテリを強化した「ZenFone 4 Max」「ZenFone 4 Max Pro」の2つをラインアップ。4モデルのうちZenFone 4 Maxは先行してロシアで販売中である。
新製品発表会は、中核となるZenFone 4ではなく、ZenFone 4 Selfieシリーズから製品説明が行われた。これはセルフィーモデルをよりアピールしたいという考えがあってのことだろうが、セルフィー=カメラに特化した新製品、という印象を植え付けようとする意図もあったのだろう。
ZenFone 4シリーズ全体のイメージキャラクターには韓流スターのコン・ユ氏を採用。同氏がZenFone 4を持った広告が各国で展開されることになるが、芸能人を起用した広告展開こそ、実はここ数年新興国でよく見かけるものだ。
ZenFone 4シリーズはZenFone 3シリーズの順当なアップグレードモデルとなるが、その内容は単純なスペックアップではない。なんと6モデルすべてがデュアルカメラを搭載しているのだ。iPhone 7 Plusをはじめとして、デュアルカメラの搭載は今では当たり前のものになりつつある。しかし新製品すべてをデュアルカメラにしたメーカーはASUSが初めてだろう。
ではなぜASUSはカメラ機能の強化に走ったのだろう。単純に考えて、標準モデルとSelfieモデルにデュアルカメラを搭載することは理解できる。ところが今回はバッテリ強化の下位ラインの製品までもをデュアルカメラとしているのだ。
その理由は、コストパフォーマンスを武器にして販売数を伸ばし続けてきたこれまでのZenFoneの製品展開に限界が見えてきたからだろう。もはや「価格」「基本性能」だけで特定のメーカーのスマートフォンが選ばれる時代は終わりを告げている。
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