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ASUSの新ZenFone発表に見る成長戦略--スマホの市場シェア向上に必要なもの - (page 2)

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先進国ではスマホ需要が一巡--成長市場は新興国

 AppleやSamsungのように強力なブランドを持つメーカーなら、新製品が登場すればメディアはもちろん、多くの消費者が大きな関心を寄せる。ブランドだけでも勝負できるメーカーは現時点ではこの2社程度だろう。とはいえ先進国ではスマートフォン需要が一巡し、この2社もいまや成長市場である新興国もターゲットにした販売戦略をとろうとしている。Appleはインドに研究所を開設したし、SamsungはフラッグシップのGalaxy Sシリーズの下に、Galaxy AシリーズやGalaxy Cシリーズなどミッドレンジやエントリーモデルのラインアップを強化している。

SamsungはAシリーズやCシリーズにも多数のラインアップを展開している
SamsungはAシリーズやCシリーズにも多数のラインアップを展開している

 ASUSのZenFoneは先進国でも人気があるものの、今後販売数を伸ばしていくためには新規購入や買い替え需要の伸びがまだまだ続く新興国市場を本格的に攻めていかねばならない。その新興国ではこの1~2年で新たな勢力が急激に力を伸ばしているメーカーがある。それが中国のOPPOとVivoだ。この2社はカメラ機能、特にセルフィーを武器とし、瞬く間に新興国でシェアを伸ばしている。

 OPPOもVivoも、美しいセルフィーが簡単に撮れることをアピールし、さらには現地のスターや芸能人が自社製品を手に持った広告でブランドイメージを一気に高めている。だがこの2社が頭角を現す前は、実はどの国でも1万円を切るような低価格機に人気が集まっていた。例えばインドではMicromaxなどの地元メーカー複数社が大量の格安モデルを販売し、常に販売シェア上位に入っていた。

OPPOの広告はイメージ中心、これでブランド力も高めている
OPPOの広告はイメージ中心、これでブランド力も高めている

 その後新興国でもSNSが爆発的に普及し、通信速度の向上と料金の引き下げが進んだことで、スマートフォンの使い道は従来の携帯電話の延長から、スマートフォン本来のものへと変貌した。つまり音声通話とテキストメッセージの利用から、ビデオ通話や写真・動画を使ったマルチメディアメッセージへと、コミュニケーションの手段が大きく変わったのだ。

格安スマートフォンからセルフィースマートフォンへの買い替え

 OPPOとVivoはそんな時代の流れにうまく乗り、自分を表現するセルフィーを手軽に美しく撮影し、シェアできる点にフォーカスした製品・広告展開をした。その結果、新興国でも格安スマートフォンからセルフィースマートフォンへの買い替えが急激に起きているのだ。低価格が売りだった中国のXiaomiも、ここにきてカメラを強化するとともに芸能人を使った広告でこの2社を追いかけている。他のメーカーも似たような広告を次々と採用している。

新興国ではこのスタイルの広告が標準化している(ミヤンマー・ヤンゴンにて)
新興国ではこのスタイルの広告が標準化している(ミヤンマー・ヤンゴンにて)

 ASUSのスマートフォンの新興国での人気は価格によって支えられてきたと言える。新興国には、バッテリを強化したMaxシリーズが重点的に投入されているが、それ以外の製品は他社品と差別化しにくいものが多い。先進国にはないZenFone Goや、同じモデルでも画面サイズと解像度を下げたモデルを投入するなど、低価格、しかし上質な仕上げ、というのが新興国におけるZenFoneシリーズの最大の武器だったのだ。

 だが今やOPPOやVivoは低価格モデルもカメラ機能を強化しており、4~5万円する上位モデルを買わなくとも、その半額程度のモデルでも美しいセルフィーや写真を撮影できる。スマートフォンの使い道が「アプリを入れて何かをすること」から、写真を撮ってSNSでコミュニケーションをするためのツールへと変わりつつある動きは、特に新興国で強まっている。

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