4cm内での充電はさておき、4m離れたところから充電するというのはどうだろう? または、平均的な広さの部屋のどこからでも充電できるとしたら?
このコンセプトはつい最近登場したものだが、EnergousやPowercastなどの企業は、ワイヤレスと呼ぶにふさわしい技術を提供している。両社とも無線周波数(RF)エネルギーを採用する。これは、Wi-Fiと同じように機能する充電方法で、送電機の範囲内にあるデバイスを充電できる。
Energousはワイヤレス技術「WattUp」の開発元だ。同社によると、WattUpは送電機から最大約4.5m離れたモバイルデバイスや補聴器のようなウェアラブルデバイスを充電できるという。同社の最高経営責任者(CEO)のStephen R. Rizzone氏は、最初の製品が2017年内に登場するとしている。
Rizzone氏は次のように語った。「遠隔充電は可動性と同様に、IoT(モノのインターネット)デバイスにとって非常に重要だ。実現すれば、IoTデバイスをケーブルにつなぐ必要も、入れ替えたり繰り返し充電したりする必要のある大きなバッテリを持ち歩く必要もなくなる。送電機から持続的に給電するので、バッテリをかなり小さくできる」。
だが、これらには共通の懸念がある。安全なのだろうか? 人体に吸収されるエネルギーの安全値を決定する米食品医薬品局(FDA)の基準を実施する米連邦通信委員会(FCC)は、2016年からこれまでにEnergousの2種類の近接無線製品を認可した。Rizzone氏は、FCCがEnergousの中距離ソリューションを「間もなく」認可すると見込んでいると語った。
本当の意味でのワイヤレス技術を開発するもう一社、Powercastも同様に前進している。同社の送電機「Powercaster」は既にFCCの認可を受けており、2010年から利用されている。ただし、提供先は、工業、商業、軍事市場のみだ。
Powercastの新しいスタンドアロン型送電機「PowerSpot」は、消費者家電向けに開発された。こちらはまだFCCの認可が下りておらず、販売されていない。同社は年内発売を望んでいる。
PowercastのCOO(最高執行責任者)兼CTO(最高技術責任者)、Charlie Greene氏は「われわれの目標は、家庭や公共の場に設置したPowerSpotで、消費者が対応する電化製品を再充電できるようにすることだ」と語った。
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