「iPhone 8」のワイヤレス充電計画、業界を変える? - (page 3)

Brianne Garrett (CNET News) 翻訳校正: 編集部2017年08月16日 07時30分

Appleが採用するのはどちらの方式か?

 iPhoneの問題に戻ろう。Appleはついにワイヤレス充電の流行に乗るのだろうか? もしそうだとすれば、どの方式を選ぶのだろうか? Qiか、Powermatか、第3の扉を開くのだろうか(iPhoneのサードパーティー製ワイヤレス充電ケースを購入することはできるが、本体にはまだワイヤレス充電機能は搭載されていない)。

 今のところ、Appleは誘導充電方式を採用する製品を2つ販売している。「Apple Watch」とワイヤレスイヤフォンの「AirPods」だ。だが、2つとも独自の充電器が付属しており、いずれもQiやPowermatのようなサードパーティー製ワイヤレス充電器では充電できない。

 Appleには独自規格を採用する傾向がある(例えば、iPhoneは現在業界標準になりつつあるUSB-Cではなく、Lightningケーブルを使う)が、同社がQiを策定したWPCに加盟したという2月のニュースは、同団体が勝利を収めたことを示唆する。だが、当時のAppleの声明文はあいまいなものだった。「Appleは、将来のワイヤレス充電規格のオープンで協力的な開発に参加し、貢献するためにWPCに参加する」。(AppleとWPCに今週コメントを求めたが、いずれからもまだ回答はない。)


Apple Watchに磁石で接続した“ワイヤレス”誘導充電器。
Sarah Tew/CNET

 AppleがQiを採用するとしたら、Powermatは互換性を持たせるために何でもするとほのめかした。Powermatは声明文で「われわれは市場に登場するすべてのデバイスをサポートする製品および技術の開発を続ける。Appleには、膨大な台数のiPhoneを市場に送り出すことでワイヤレス充電を普及させる力があることを、われわれは認識している」と語った。つまり、PowermatはStarbucksのようなパートナーが、数千万人の、いや数億人のiPhoneユーザーに、Androidユーザーと同じようなサービスを提供できるようにしたいと考えている。

 Appleが本物の中距離ワイヤレス充電で世界をあっと言わせることはあり得るだろうか? EnergousのCEO、Rizzone氏は長くモバイル「トップ5」の家電パートナーを宣伝しており、同社はAppleの部品サプライヤーであるDialog Semiconductorから1000万ドルの投資を受けている。ワイヤレス充電のない状態からいきなり本当のワイヤレス充電への飛躍すれば印象的な機能になるだろうが、AppleとEnergousの提携による製品の登場は、実現するとしても数年先になりそうだ。

 良い知らせは、Appleのワイヤレス充電計画はもうすぐそこだということだ。いつものスケジュール通りだとすれば、次期iPhoneは9月の最初の2週間中に発表されるはずだ(だが、7月に流れたうわさによると、充電機能は発表されるものの、充電器の発売は遅れるという)。

 悪い知らせは? ワイヤレス充電は有線より便利ではあるだろうが、効率ははるかに悪いということだ。CNETによるテストでは、Galaxy S8のワイヤレス充電には3.5時間かかった。USB-Cケーブルで約2時間かかる充電よりさらに長い。

 だが、有線での高速充電ファンは心配ご無用。ヘッドフォンジャックと異なり、iPhoneのLightningポートがすぐになくなることはないとみられる。

 

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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