TechAcademyで受講生を指導するメンターは約300人ほどおり、年齢層も16~60歳と幅広いという。育児をしながら在宅ワークでメンターをしている人もいれば、北海道でロックバンドをしながらメンターをしているというユニークな人までいる。
同社ではメンターの“質”にこだわっており、応募者の審査時だけでなく、受講生とメンターのチャットのログや課題レビューの内容などから、適切な指導をしているかを定期的に確認。また、受講生からのアンケートなどのフィードバックも評価に反映しているという。
「教えてほしいと聞かれたことにそのまま返すだけでなく、受講生が意図して質問できないところまで教えてくれるメンターは評価が高い。(質問に対して)『こう書くんです』ではなく、こういう書き方もあるし、こういうサイトも見たら参考になるよといった、期待値以上の答えを返してくれる」(村田氏)
TechAcademyは、個人だけでなく企業の研修にも活用されている。これまでに、フジテレビやスーツのAOKI、コロプラ、DMM.com、アイスタイルなど約300社に導入されているという。
そして、7月からは新たに受講生限定の転職スカウトサービス「TechAcademyキャリア」を開始した。受講期間中に開発したアプリやウェブサイトなどをポートフォリオとして登録することで、受講生に対して、企業やコンサルタントからスカウトが届くサービスだ。過去の受講生も含めて、TechAcademyの受講生であれば無料で利用できる。
村田氏は「学んで終わりではなく、その先で学びをどう使うかということもセットだと思っている。大学にいけば就職するし、看護専門学校にいけば看護師になるが、これまでオンラインスクールでは学びしか提供できていなかった。学んだことをどう生かすか、そこで初めてその人の自己実現になる」と、TechAcademyキャリアの提供背景を語る。
企業側も、これまで履歴書に書かれた職歴でしか応募者を判断できなかったため、採用するにはリスクがあった。TechAcademyキャリアでは、応募者のポートフォリオに加えて、パーソナルメンターの評価(スキルの理解度、コミュニケーション能力、課題解決能力)や学習状況をみてスカウトできるため、採用後のミスマッチを減らせるとしている。
2016年6月に経済産業省が発表した「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、IT人材は2020年に36.9万人、2030年には78.9万人が不足すると予測されている。そのため今後は、素養があり育てれば優秀なエンジニアになる可能性のある人が選ばれる“ポテンシャル採用”が増えると村田氏は予想。「未経験でも2~3カ月ほど基礎を学んでいれば、採用して育てたいと言われる環境になりつつあるため、我々にとっては追い風だ」と期待を寄せた。
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