Windows Phoneは、始まり方こそ少し違ったものの、同じような終わりを迎えている。MicrosoftはNokiaのスマートフォン事業などを2013年に54億ユーロで買収したが、Googleの「Android」とAppleの「iOS」という盤石の2大競合勢力を相手に苦戦した。このときも、やはりアプリの少なさが災いして、Windows Phoneの市場シェアはじり貧になっていった。
では、今回は何が違うのだろうか。Microsoftは過去の過ちから、少なくとも何かは学んだようだ。
3つのプロジェクトの中では、ARMベースのWindowsが最も見込みがありそうに思える。今回は、x86ベースのWin32アプリを(エミュレーションではあるが)実行できるフル機能版のWindowsが登場することになるからだ。
うまくいけば、軽量でファンレスの常時オンのデバイスという大きな可能性が開けてくる。それはタブレットやスマートフォンかもしれないし、その中間も考えられる(かなり面白い試みながら日の目を見ることのなかった「Courier」のようなデバイスという可能性もある)。
Continuum対応のスマートフォン端末は、それほど多く出回っているわけではない。米ZDNetのレビューでも指摘されているように、その機能を見ると将来性はあるが、よくてニッチという存在にとどまっている。
Windows 10 Sも予測は難しい。Windows RTと同様、制限のあるバージョンのWindowsをわざわざ使うべき理由は何なのか、消費者と企業に納得させるのはひと苦労だ。なじみのあるWin32アプリケーションは利用できず、Windows Storeのアプリをダウンロードするしかないが、必要なソフトウェアがすべて提供されているわけではない。また、使い慣れたブラウザではなく、「Microsoft Edge」を使用しなければならない。初期のレビューでも評価は芳しくなかった。
もっと大きな問題は、Microsoftがこの3プロジェクトのいずれかで真のブレークスルーを実現できるかどうかだ。デスクトップはMicrosoftのホームグラウンドだが、モバイルとなると、まだまだアウェー戦でしかない。AndroidとiOSががっしり地盤を固めており、前回Microsoftが経験したように、この双璧を切り崩すのは並大抵のことではないだろう。
それでも、デスクトップ以外への進出という宿願を阻んできた技術的な課題を、Microsoftはついに克服しつつあるように見える。次の問題は、なぜ切り替えるべきなのか、消費者にその理由を理解してもらうことだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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