新型iPad Proのリフレッシュレートディスプレイは、Appleが「ProMotion」と呼ぶテクノロジを使用しており、120Hz(従来のディスプレイより2倍高速)で動作するほか、動画や静的コンテンツに合わせてリフレッシュレートを下げることも可能だ。これにより、極めて滑らかなアニメーションやスクロールが可能になるはずで、実際にその通りだ。この機能は、ほかにどのような使い道があるのだろうか。グラフィックス関連の作業にも有益かもしれない。それは、より高速かつ20ミリ秒という低レイテンシ(描いてから表示されるまでの遅れ)でのApple Pencilによるスケッチが可能になることを意味する。つまり、Apple Pencilの反応が、どんなスタイラスもかなわないくらい高速に感じられるということだ。
しかし、正直に言うと、その違いを実感するのは難しい。Apple Pencilの性能は前から素晴らしかったからだ。スタイラスの熱烈な愛好者でも、新しい10.5インチモデルと旧9.7インチモデルを同時に使用したら、レイテンシの変化を実感するのに苦労するかもしれない。改善されたのは確かだが、その差は微細なものである。
滑らかになったフレームレートの効果は動画再生(120fps動画の場合)やスクロール時に確実に現れるが、アプリに関して言えば、その効果をもっと活用できるものが登場する必要がある。Appleによると、ディスプレイは静止画ではリフレッシュレートを24Hzに引き下げ、Apple Pencil使用時には120Hzに設定するという。したがって、Apple Pencilを多用すると、バッテリの減りが早くなるかもしれない。ProMotionは嬉しい追加機能だが、「iPad Air 2」および旧式の2015年のiPad Proから、2016年の9.7インチiPad Proへのスクリーンアップグレードと比べると、それほど劇的ではない。日常で使用するほとんどの場面において、ProMotionは必要な機能ではない。とはいえ、新しいテクノロジに熱中したときによくあることだが、筆者は旧式iPadを再び使用したときに、スクロールの滑らかさが若干劣ることを以前よりはるかに意識するようになった。このことは、ほかのディスプレイにも当てはまる。新しいディスプレイに慣れると、そのうち元に戻れなくなるかもしれない。
新型iPad Proタブレットの広色域ディスプレイ、環境光に合わせて色温度を調節するTrue Tone、反射防止コーティングは、2016年の9.7インチiPad Proに既に搭載されていたことに注意してほしい。しかし、2016年の12.9インチiPad Proにこれらのスクリーン機能は搭載されていなかった。2017年のアップグレードにより、12.9インチモデルにもそれらの機能が追加された。2016年の12.9インチiPad Proを購入した人は、全体的な改善を実感できるだろう。
後編に続く。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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