Intelは、同社初のx86プロセッサ「Intel 8086」のリリース40周年に向けたブログ記事の最後で、さまざまなプロセッサでx86をエミュレートしようとしている企業に警告を発している可能性がある。
MicrosoftとQualcommがARMベースの次期PCに搭載される「Windows 10」でx86エミュレーションを提供する意向を示したことを考えると、米国時間6月8日というブログ記事のタイミングは興味深い。Microsoftはまだ、ARMのプロセッサ上でWindows 10の公式なテストを開始していない。しかし同社の関係者は最近、Windows 10を搭載する初のARMベースPCが、HPやASUS、LenovoといったOEM各社から間もなく登場する見込みだと述べていた。
Intelは、「40周年が近づいてもまだ強力なX86(X86: Approaching 40 and Still Going Strong)」と題したブログ記事で、MicrosoftやQualcommといった特定のPCメーカーの社名を挙げているわけではない。だが、以下に引用した内容から、知的財産(IP)をめぐる将来的な争いの可能性を示唆しているのは確実だ。
これまでの複数の報道で、一部の企業がIntelの許可なしに、当社のプロプライエタリなx86命令セットアーキテクチャ(ISA)のエミュレートを試みる可能性があると伝えられた。エミュレーションは新しい技術ではなく、よく知られるように、Transmetaは、エミュレーション(「コード・モーフィング」)の手法を使ってx86互換プロセッサを製造したと主張する最後の企業だった。IntelはTransmetaのx86実装に対し、それがたとえエミュレーションを使ったものであっても、単一命令複数データ(SIMD)命令セットの強化に関連する特許を強く主張した。いずれにせよ、Transmetaは商業的に成功せず、10年前にマイクロプロセッサ事業から撤退した。
Intelのx86系ISAをエミュレートしようとする新たな試みが、異なる運命をたどるかどうかは、時が経てばわかる。Intelは合法的な競争を歓迎し、ほぼ40年間にわたって当社のx86系ISAの実装用に最適化されてきたIntel製マイクロプロセッサが、驚異的な体験や、アプリケーションを超えた一貫性、消費者向け製品の多様さ、徹底した管理のしやすさ、法人向けのIT統合を提供することを確信している。しかし、非合法の特許侵害は歓迎せず、他社がIntelの知的財産権を引き続き尊重することに大いに期待している。知的財産の強力な保護により、Intelは、自社のダイナミックなx86系ISAを進化させるのに求められる莫大なリソースを引き続き投資できるし、自社のイノベーションと投資を守るため警戒を続ける所存だ。
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