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“素人”でも美味しい野菜が作れる--「LEAP」が提案する次世代の農家

藤井涼 (編集部)2017年05月12日 08時00分
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 ここ数年、日本の農家の数が著しく減少している。農林水産省によると、2010年に260.6万人いた就農者は、2016年には192.2万人まで減っており、わずか6年間で約70万人が何らかの理由で農業から離れている。また、就農者の平均年齢は66.8歳で、このまま若手の新規就農者が増えなければ、さらに高齢化することが予想される。

 とはいえ、農業の知識を一切持たない人が突然農家になるのは容易ではない。一般的に新規就農者が農業を始める際には、2年近い農業研修を受け、野菜を育てるための農地を見つけ、高価な菜園ハウスを用意しなければいけないからだ。また、農業を始めることができたとしても、農作物がうまく育たなかったり、販路が見つからなかったりするリスクもある。

農地や販路の課題を「垂直統合」で解決

 こうした課題を“垂直統合”で解決し、農業未経験者でも高品質な野菜を作れるようにするサービスが、seakが2016年9月から提供している「LEAP(リープ)」だ。新規就農者は、同社が確保した農地を使用し、必要最低限の施設で、栄養価の高い野菜を栽培するノウハウを教わりながら、野菜を育てることができる。また、収穫した野菜は同社が開拓した販路を通じて販売できるという。

 LEAPの仕組みを、もう少し詳しく説明しよう。同サービスに登録した新規就農者(ファーマー)は、seakと連携する自治体や地権者の保有する耕作放棄地600㎡を年間9000円で借りることができる。同社は、拠点を置く神奈川県藤沢市から法人として初めて認定新規就農者に選ばれており、ファーマーはLEAPが優先的に確保した農地を利用できるという。

LEAP

 菜園ハウスについては、4000以上からなる部材の選定や、調達、施工職人との直接のコミュニケーションを通じて、コストや商流を圧縮し、独自のビニールハウスを建設できる体制を構築。これにより、ファーマーは既存より43%(同社調べ)安い約500万円で施設一式を用意できるため、初期費用を大きく抑えられるとしている。

LEAP

 そして、特徴的なのが野菜の栽培方法。農産物の出来は土の状態に大きく依存するが、LEAPでは一般的な畑での水耕栽培ではなく、独自配合した土を入れた袋に1つずつ苗を入れて育てる“袋栽培”を採用している。

 土壌学研究の博士号(PhD)を持つ同社 最高開発責任者(CDO)のNakhshiniev Bakhtiyor氏が配合した土を使用し、栽培溶液をタイマー設定した時間に一定間隔で与えることで、農地のコンディションに関係なく、どこでも高品質な野菜を育てられるのだという。野菜の種類は、きゅうり、なす、ピーマン、ズッキーニ、アンデスメロンなど10種類から選べる。

LEAP

 栽培時にはテクノロジをフル活用している。ビニールハウス内には各所にセンサが設置されており、農家はリアルタイムにハウス内の湿度や温度などのデータを専用アプリで取得可能。たとえば、アプリのタイムラインに温度計のスタンプを送ると、チャットボットがハウス内の温度を即座に知らせてくれる。また、温度が設定を下回るとアラートが飛ぶという。

 異変やトラブルがあれば、ファーマーは写真とチャットによってすぐにLEAPの栽培管理本部に相談できる。同社では現在、作業のやり方を予習・復習できるオンラインコンテンツも準備中だという。今後は、農地の情報や作業履歴、出荷商品の情報などを新規就農者のIDに紐づけて一元管理できる機能を実装する予定だ。

LEAP

 収穫された野菜を消費者に届けるための販路もseakが用意する。同社には高級スーパーだけで約50店舗のオファーがあるそうだ。今後は、ファーマーが朝に収穫した野菜を、昼にこれらの店舗に直接出荷する配送網を構築していくという。

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