Microsoftが先週開催したEDUイベントは、教育分野向けのテクノロジ、教育機関用の低価格PC、学生向けの新OS「Windows 10 S」が中心だった。だが、この日発表されたハードウェアで最大の目玉製品は、一般的な学生の財布には厳しいものかもしれない。
新たな上位機種「Surface Laptop」は、同社の「Surface」タブレットシリーズのハイエンド設計を、驚くほど伝統的なクラムシェルボディに収めた製品だ。価格も999ドルからという設定で、学生向けのノートPCと聞いてまず連想されるような価格帯ではない。
だが、Microsoftのデバイス担当バイスプレジデントとしてSurfaceシリーズを統括するPanos Panay氏によると、Surface Laptopは間違いなく学生向けであり、特に、これから何年間か高等教育が終わるまで使い続ける本格的なPCの購入を検討中の大学進学者が対象だという。
「以前から注力したいと思っていたターゲットが、間もなく高校を卒業して今後4年間の大学生活に入ろうとしている学生だ。非常に信頼性の高い製品を学生に提供したかった」。Panay氏はSurface Laptop発表後の米CNETとのインタビューでこのように述べた。
あるいは、同氏がSurface Laptopを発表したステージでの言葉はこうだ。「入学オリエンテーションに参加したその日から、同じ舞台で卒業を迎える日まで使い続けられる」
大学生にノートPCを使ってもらうというのは、向こう何年間か顧客として確保する上で有効な手だてだ。Appleの「MacBook Air」は今も大学で人気だが、そのデザインとハードウェアは徐々に時代後れになりつつある。新型のノートブック「MacBook Pro」となると、Surface Laptopよりはるかに高価だ。
しかし、同じイベントで披露されたWindows 10 S搭載ノートPCの多くは、189ドルから299ドルとなる予定で、それと比べるとSurface Laptopの価格は飛び抜けて高いことになる。1000ドルクラスのノートPCを欲しがる学生がターゲットという秘策を、Microsoftはいったい、どんな経緯で思い付いたのだろうか。
Panay氏はこう述べている。「ある意味で簡単であり、複雑でもある。999ドル以下の価格帯は選択肢が豊富だ。用途にもよるが、いろいろ選べるし性能も悪くない。だからこそ、われわれは上位機種に注力できる」
「現在すでに上位機種を検討している大学生に目を向けてみよう。その割合は把握している。MacBook AirやMacBook Proがあれだけ使われているということは、購入金額は999ドルを優に超えるということだ。高級感があり、仕上がりも申し分ない最適な上位ノートPCという分野を調べてみれば、答えは見えてくる。手をこまねいている場合ではない、妥協して無理に価格を抑えようとする必要はないのだ、と」(Panay氏)
Surface Laptopには確かにハイエンドの魅力がある。実機に触ることのできた短い時間でも、そう感じられた。13.5インチのタッチスクリーンディスプレイがスリムで軽量なボディに収められ、内側には独自素材のカバーが採用されている。
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