999ドルの高級機「Surface Laptop」は何を狙っているのか--MS幹部に聞く - (page 2)

Dan Ackerman (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2017年05月12日 07時30分

厳重に閉じ込められたWindows

 Surface Laptopは、スタイルにうるさい大学生を狙ったしゃれたデザインのノートPCというだけでなく、Windows 10 S搭載機のフラッグシップでもある。同OSはWindows 10のバリエーションとして、システムセキュリティの強化と起動時間の短縮が図られているが、それを可能にしているのが、ソフトウェアのインストール制限だ。公式のWindowsストアで提供されている選別済みのアプリしかインストールできない。これはどう考えても、大学生に要求する制限としては厳格すぎる。いや、上位機種を買い求めるどんな層にとっても容認しがたいのではないか。

 Panay氏によれば、これは学生がノートPCを使って実際にやっていることに的を絞った結果であり、スリープからの復帰時間を短くしたことと、余分なソフトウェアを入れすぎないことがポイントになるという。「やりたかったのは、的を絞ることだ。学生はどこでPCを使うのか。何に使いたいのか。最も必要とされているものは、バッテリ持続時間か、起動の速さか、パフォーマンスなのか。マシンを自慢したいという気持ちもあるだろう。それは重要だった。そうしたことをすべて考え合わせてたどり着いた頂点、それがWindows 10 Sであり、Surface Laptopの設計なのだ」(Panay氏)

 幸い、Windows 10 Sのインストール制限は、変更不可というわけではない。2017年末までのSurface Laptop購入者には、「Windows 10 Pro」にアップグレードできる1回限定のオプションが無償で付いてくる(Windows 10 S搭載の他のPCには、同様のアップグレードが49ドルで提供される)。

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人気機種「Surface Pro 4」
提供:Sarah Tew/CNET

 2in1ハイブリッド型の新しいPCに大きな力が注がれているなか、既存のSurfaceのラインアップに昔ながらのクラムシェル型ノートPCを追加するというのは、それほど目立った動きではないかもしれない。だが、これは長きにわたって計画の一部だったとPanay氏は明言している。「Surfaceを始めたころから、ノートPCは望まれていた」

 DellやHP、LenovoといったPCメーカーが、ノートPCで培ってきた長年の経験を生かして、折りたたみ式や取り外し式のハイブリッドマシンを投入している現状で、Microsoftはその逆を行っている。ハイブリッドで蓄積した広範な経験を生かし、ノートPCを進化させているからだ。「これまでの歴史があったからこそ、ここまでたどり着けたと思う。『Surface Pro』がなかったら、そして『Surface Book』や『Surface Studio』がなかったら、このノートPCを今のような形で設計することはできなかったはずだ」(Panay氏)

 もちろん、「Surface Pro 4」と言えば、素晴らしい2in1だとほぼ全面的に称賛されているが、約18カ月前に登場した製品だということを思い出してしまう。12カ月ごとのアップグレードサイクルを守ろうと躍起になっている企業が多い業界にあっては、長い時間だ。「Surface Pro 5」はどうなっているのか、という疑問が出るのも当然だろう。Surface Pro 4の購入を検討している人は、様子を見て次期モデルを待つ方がいいのだろうか。

 Panay氏は次のように述べる。「今の時点でSurface Pro 4を買いたくないとしても、それは構わない。ただ、今Surface Pro 4を使っている人は、5年間は優位に立てる製品をお持ちということだ。それは自信をもって断言できる」

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提供:Sarah Tew/CNET

 ということは、新しい第5世代のSurface Proの登場が近いということなのか。まだ仮定の段階にすぎない次期Surface Proについて、Panay氏はこう語った。「意味があって、変化が妥当となるタイミングで、市場に送り出すだろう。意味がある変化とは、多くの人が期待するようなハードウェアの変更とは限らない。『最新のプロセッサは搭載されるのか』といったことが話題になるが、私が言っているのは、そういうことではない。目指しているのは、製品ラインに大きな違いをもたらす体験の変化だ」。同氏はその例として、単なる処理能力の向上ではなく、バッテリ持続時間の大幅な延長や、相当な軽量化などを挙げた。

 「それと同じくらいの意義深いインパクトが、『Pro 5』あるいは『Pro Next』の発売時にあるだろう」。Panay氏はこう述べた後、急いで表現を弱めた。「Pro 5などというものはないが」

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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