Facebookは、仮想現実(VR)ヘッドセットと連動するプロ向けカメラ「Surround 360」の新しい設計を発表した。新機能の1つに、撮影した仮想世界を見て回れるようにする機能がある。ヘッドセット装着者の立場で言うと、椅子から身を乗り出したり左右を向いたりすることにより、あたかもその場にいるかのように、別の角度で視界を捉えることができる。
この技術は、全方向(前、後、上、下、左、右)に動くことができることを指して「6DoF」(six degrees of freedom)と呼ばれる。装着者にとっては、街灯柱の向こう側やテーブルの下が見えるということになる。
Facebookの最高技術責任者(CTO)を務めるMike Schroepfer氏は米国時間4月19日、「あたかもそこにいるかのように、これまでよりもはるかに近くに感じることができる」と述べた。
Facebookが19日にカリフォルニア州サンノゼで開催した開発者会議「F8」で、これらのカメラが初めて公開された。
新しいカメラとソフトウェアの設計とコードは、Facebookによってウェブ上に無料公開されており、一連の提携メーカーを通して提供されている。同社は、VR技術に今後10年間で30億ドルもの資金を投入する見込みだと発言しており、今回のカメラとソフトウェアはその取り組みの一環だ。同社の狙いは、VR技術を購入する価値があると広く認識してもらうことにある。
ただしこれまでのところは、そうは思えない状態だ。魅力的な映画やゲームなどの体験が提供されてはいるが、世界中の家庭にこれまでに行き渡ったヘッドセットは、1億台にも届かない。その数は、2016年の1年間でApple1社が販売したスマートフォン台数の半分未満だ。
Facebookは、ゲームであれ映画であれ、魅力的なコンテンツの開発を促せば、おのずとユーザーはついてくると考えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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