出澤氏 : 当然ながら使ってはいて、やはりこの領域はくるよねという感想です。また、英語の認識精度をAmazon EchoとGoogle Homeで使い比べたりしています。ただ、それと同時に使い続ける必然性がなければいけないとも感じていて、そこをちゃんと見つけたいと思っています。
舛田氏 : (使ってみて)私もありだなと思うのですが、やはりまだ正解ではないと思います。音声でできることって少ないんです。非常に便利なんですが、(スマートフォンに比べて)求めるアウトプットに対する情報量が当然少なくなるんですね。音声だからこそのキラーサービスやコンテンツが必要で、大体思いつくのが、リマインダや音楽、占い、ニュース、天気予報、あとはスマートホームなどの用途ですね。この辺りは、音声デバイスのかなり表面的な部分だと思っています。
なので実は私、いま非常に楽しいんです。これまではスマートフォンを中心に、LINEと連携させたらこうなるよね、ということを考えてきたんですが、音声デバイスはゼロイチで考えられます。たとえば、リビングだったら、ベッドルームだったらどういう使い方なのか。もし、スピーカではなくウェアラブルデバイスのような形だったら、音声はどこまで助けてくれるんだろうということを模索しています。
結局、音声デバイスってただのコマンドマシーンなんですよ。要求すれば答えてくれますが、それ以上でもそれ以下でもない。これをもっともっとアクティブにしていくには、デバイス側からの発話が必要です。つまり、ルールベースとコマンドがハイブリッドでなければいけないんです。なので、Clovaはハイブリッド型で設計していて、ここが差別化のポイントになると思います。
心地よい距離でパートナーとしてそばに置いておきたいと思われるには、コミュニケーションが重要ですし、そこには表現力も必要になると思います。もしかしたら、いろいろな“人格”があるべきなのかもしれません。実は(音声認識は)ここの戦いなんじゃないかと思っています。搭載されているレコメンデーションの精度については、どれだけデータを学習させ続けるかということなので、最終的には各社それほど変わらなくなっていくはずです。
――夏に発売するAI搭載スピーカ「WAVE」では何ができるのでしょう。
舛田氏 : 日韓で少し違ってきます。NAVER側が持っているサービスは韓国版WAVEにつながりますし、日本ではLINEが提供するサービスの一部がつながります。(メッセージアプリの)LINEは当然、使えるようにします。あとは音楽やニュースなど、まさにベーシックなサービスですね。WAVEに関していうとショーケースというか、まずはIoTデバイスのプロトタイプとして開発しています。なので、夏に発売するWAVEは、かなりオーソドックスなものになると思います。これをベースに、さまざまなパートナーと、それぞれのデバイスに必要なコンテンツやサービスを出していくマイルストーンになります。恐らく、2018年ごろからいろいろなデバイスが出てくると思います。
――WAVEはいくらで販売するのでしょうか。
出澤氏 : 良い質問ですね(笑)。
舛田氏 : (最新の)iPhoneのような値段ではないですよ。そこまで手が届かないものにはしません。ただ、いままさにどういうビジネスモデルにすべきかを考えているところです。
※第2回「出澤剛氏×舛田淳氏の“組織論”」は4月14日(金)に掲載
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