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CNET Japan Live 2017

データが導き出す働き方改革--リクルートキャリアとマイクロソフトの挑戦

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 「働き方改革」というキーワードが、昨年から業界を問わず大きな注目を集めている。働く個人がいかにしてワークライフバランスを充実させるか、企業がいかにして生産性を高めるか。そして、両輪によっていかにして企業と働く個人がともに幸せを掴むことができるか。試行錯誤は、まだ始まったばかりだ。

 こうした社会課題に対して、データと人工知能(AI)を駆使して課題解決に挑もうとしている企業が人材事業大手のリクルートキャリアと、プラットフォームとプロダクティビティのリーディングカンパニーの日本マイクロソフトだ。

 2月21日に開催された「CNET Japan Live 2017 ビジネスに必須となるA.Iの可能性」で行われたパネルディスカッション「AIを活用した働き方改革を支援するソリューション開発プロジェクトについて」でその一端が紹介された。

 リクルートキャリアから商品本部 事業開発室 事業開発部 ソリューション開発グループのソリューションプロデューサーである高森純氏とソリューション基盤グループの鹿内学氏、日本マイクロソフトからデベロッパーエバンジェリズム統括本部のテクニカルエバンジェリストである大田昌幸氏が登壇。両社が共同で研究を進めている「Evidence-Based Human Resource Management(HRM)」が紹介された。

“悲しみの谷”が働く個人のモチベーションを奪う

 登壇した3人のパネリストは、高森氏はビジネス、鹿内氏はデータサイエンス、大田氏はエンジニアリングと、それぞれ異なる専門領域を持つ。それぞれの立場を生かして、どのような働き方改革に挑もうとしているのだろうか。まずは高森氏が、働き方改革が何を目指すべきなのかについてビジネスの視点から解説した。

リクルートキャリア 商品本部 事業開発室 事業開発部 ソリューション開発グループ ソリューションプロデューサー 高森純氏
リクルートキャリア 商品本部 事業開発室 事業開発部 ソリューション開発グループ ソリューションプロデューサー 高森純氏

 高森氏は、労働人口の減少や産業構造の変化、テクノロジの発展といった働く環境の変化を紹介した上で企業と働く個人の関係性をリデザイン(再定義)することが求められていると提言する。その上で、「働く個人は働き方に多様性を求め、企業は生産性を求める。しかし多様性と生産性は二律背反し、バランスを取ることは決して簡単ではない。そこで両者を実現するキーになるのは“働く喜び”なのではないか」と語る。つまり、働く個人が働くことに喜びを感じ、さまざまな業務の中で充実感をもって仕事に臨むことができれば、生産性の向上に寄与するのではないかという考え方だ。

 しかし高森氏は、実際の現場が理想通りにはなっていない現実を示した。「自社調査によると、働くうえで働く喜びが必要だと感じている人は83.7%にのぼるのに対して、実際に働く喜びを実感している人は37.2%にとどまっている。必要性を感じているのに、実際には感じていないのだ」(高森氏)

 なぜ、働く喜びを感じることができないのか。高森氏が提示したのは、働く個人が直面する“悲しみの谷”という現象だ。

働く喜びが直面する“悲しみの谷”
働く喜びが直面する“悲しみの谷”

 “悲しみの谷”とは、働く環境の変化によって、働く個人が本来の持ち味が発揮できない状況を言う。仕事に対するモチベーションが著しく下がる状態だとも言えるだろう。

 高森氏は、働く個人がこの“悲しみの谷”に落ちてしまう瞬間は、働き方、職場環境、仕事の内容、人事異動など働く環境の変化が生み出すものであり、誰にでもあるものだと説明。ただ、こうした環境変化に対応することができず、仕事に対するモチベーションが落ち込む状態が長く続いてしまうことで、働く喜びを感じることができないのではないかと提起した。

 「人生にはいい時もあれば悪いときも落ちこむ時もある。しかし、悪いときや落ちこむ時しかなければ、そこに喜びは感じられない。“悲しみの谷”の克服は、働く個人と企業の両者にとって必要不可欠だ。環境の変化が生み出すモチベーションの低下をいかに浅く、いかに短くするかを考えなくてはならない」(高森氏)

 では、この“悲しみの谷”を克服するために、リクルートキャリアと日本マイクロソフトはどういった取組みを進めているのか。高森氏は働く喜びを実感するには、「Clear(自分の持ち味ややりたいことを自覚すること)」を軸として、「Choice(持ち味を生かせる仕事・職場を選択すること)」と「Communication(上司や同僚と密なコミュニケーションを生み出すこと)」が必要だとした。

 「Clear、Choice、Communicationという3つのCによって働く喜びを実現させ、”悲しみの谷”の克服につなげていく。そのためにデータに基づいて人材をマネジメントするEvidence-Based HRMが大切になる」(高森氏)

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