音声アシスタントがものすごく賢いと感じることがある。「Amazon Alexa」に空はなぜ青いのかと尋ねると、大気圏での光の屈折について教えてくれる。
しかし、CNETとは何かと尋ねると、ぼろが出始める。
「さらに、CNETは現在、特定の地域、特定の言語向けのエディションを提供しています」
確かにその通りではあるのだが。次に、2月5日の夜、スーパーボウルの試合直前だったので、筆者はAlexaにスーパーボウルとは何かと尋ねた。Alexaは次のように答えた。
「第50回スーパーボウルの勝者はデンバー・ブロンコスです」
こうした返答は、音声アシスタントで起こるかなりちぐはぐなことの1つにすぎない。音声アシスタントは照明を制御したり、音楽を再生したりするだけでなく、ばかげた冗談を言うこともできる。しかし、われわれの生活の中で音声アシスタントの存在感は増しているにもかかわらず、その能力は未だに極めて限定的だ。
これまで、多くの企業は1つ1つの応答を手動でプログラミングするという方法で、音声アシスタントの性能を高めてきた。例えば、Amazonの担当者はAlexaのコードにアクセスして、CNETとは何か、スーパーボウルはいつ開催されるのか、といった質問への答えをAlexaに教える、といった具合だ。
Microsoftは、違う方法を見つけたと考えている。同社はアプリ開発者や企業に同社の技術を利用するよう促し、質問や返答をしてもらうことで、修正すべき点をを割り出している。
人工知能(AI)の新たな用途を模索している企業は、Microsoftだけではない。簡潔に言えば、新たな用途とは、本質的にもっと繊細かつ洗練された方法で学習、適応、そして行動できるソフトウェアのことだ。Facebookはあらゆる種類のソフトウェアツールでAIを訓練している。例えばオレゴン州のデータセンターにあるソフトウェアツールは、コンピュータに一連の画像を見せた後でオリジナルの芸術作品を制作するように訓練しようとしている。一方、GoogleはAIを訓練して、ボードゲームのルールを習得させようとしている。IBMは「Watson」と呼ばれるAIに、あらゆる種類の企業からのデータを供給して、洗練度を高めようとしている。
Microsoftが公開しているAIへの取り組みもいくつかある。同社は音声アシスタント「Cortana」を「Windows」PCとスマートフォン向けソフトウェアで提供している。Cortanaはリマインダーを手早く登録したり、雑学クイズに答えたりする。
また、「Tay」などの実験的プロジェクトも公開していた。Tayは人間との会話から学習するTwitterチャットボットだった。しかし、人々がTayに対し、フェミニストを嫌ったり、アドルフ・ヒトラーを賞賛したり、性行為を求めたりすることを教えたため、その実験は間もなく中止された。
今回、MicrosoftはAIツールを開発者に提供することで、前回より慎重なアプローチをとっている。これまでの成果は、希望を抱かせるものだ。
クラウドインテリジェンスの新興企業のPrism SkyLabsは、再生映像の整理にMicrosoftのツールを利用するようになった。それまでそこになかった物体が映像に現れると、「Prism」がそれを検知する。そして、そのクリップの画像をMicrosoftに送り、写真に写っているものを特定してもらう。例えば、「犬」や「荷物」といった答えが返ってくる。
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