グーグル対Uber「自動運転車訴訟」の”主役”の横顔

 自動運転車の分野でも無視できない存在となったライドシェアリング最大手のUber。そのUberで関連技術の開発責任者を務めるAnthony Levandowskiが、古巣のWaymo(Alphabet子会社)から機密情報を不正に持ち出していたとして、米国時間2月23日、WaymoがUberおよびOttoを訴えていた。CNETでも下記の記事でこの話題を取り上げた。

 今回はこの訴訟の「主役」ともいえるLevandowskiに関していくつか気になった点を拾ってみる。なお以下ではGoogle、Alphabet(持株会社)、Waymo(自動運転関連の子会社)の3つについて便宜上「Google」の表記で統一させていただく。

ふたつの「5億ドル」

 この件に関する情報のなかでまず目に留まったのがふたつの「5億ドル」という金額。ひとつはLevandowskiやその仲間である元Google社員らが同社から持ち出したとされる情報(知的財産)の金額、もうひとつはLevandowskiがGoogleに買い取らせたとされる「副業」の金額だ。

 Levandowskiらは2016年1月にGoogleを退社した後Ottoを立ち上げ、同8月にはこの会社をUberに6億8000万ドルで売却していた。LevandowskiがUber側の開発責任者になったのもこのOtto売却に伴うものだった。Bloomberg記事によると、Googleは今回の訴状のなかで6億8000万ドルというこの金額を引き合いに出しながら、「そのうちの5億ドル以上がGoogleの情報によるもの」と主張しているという。

 ただし、持ち出された情報自体(「1万4000件もの書類」「データ量にして約9Gバイト」といった説明がある)にそれだけの価値があるのか、それともそれらの情報に、知財を生み出した人間(GoogleからOtto経由でUberに移った人間)の頭の中の情報を加えた上での金額なのか、その点の線引きは難しい。

 もうひとつの5億ドルは、Levandowskiが2007年にGoogleに加わった後も、副業として仕事を続けていた510 Systemsなど3社の値段だ(NYTimes記事)。LevandowskiとGoogleとの力関係がわかるエピソードであると同時に、Googleの気前の良さあるいはお人好しの加減が伝わってくる話として興味深い。

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