長崎ハウステンボスで日本初の「夜間ドローンレース」--KDDIと“私有地”での実証実験も - (page 2)

 アイデアソンの当日には、応募者の中から抽選で選ばれた16名が東京から参加。ハウステンボス内の会場で4チームに分かれ、スマートドローンに関するアイデアを出し合った。江幡氏によれば、よいアイデアがあれば事業化・商品化も検討していきたいとのことだ。


「スマートドローンアイデアソン」の様子。ハウステンボス内で4つのグループに分かれ、2日間にかけてスマートドローン活用のアイデアを出し合った

 KDDIは通信事業でB2CやB2Bのビジネスを展開しているが、ハウステンボスとの取り組みでは、両社によるコラボレーションによって顧客にサービスを提供する、B2B2Cによる施策にチャレンジしていきたいという。まずは実験ベースで施策を進め、それを体験する場を設けながら、サービスの普及へとつなげたいとしている。

ハウステンボスCTOの富田氏がドローンを語る

 スマートドローンアイデアソンの実施にあたり、冒頭ハウステンボスの取締役CTOである富田直美氏が基調講演を行った。自ら「ラジコンの神」と名乗るほどラジコンに精通した富田氏は、ドローンも30台以上保有するなど、ドローンに詳しい知識を持つ。その富田氏が最初に話したのは、「ドローンで自宅に荷物を配達するなんてあり得ない」ということであった。

基調講演をするハウステンボスCTOの富田氏
基調講演をするハウステンボスCTOの富田氏

 最近は、ドローンを宅配に活用するための実証実験が日本各地で実施されているが、富田氏は「ドローンに対する知識がない人が考えることだ」と切り捨てる。ドローンはプロペラを回転させて飛行するため飛行音が大きく、人間の近くに飛ばすには危険性がともなうなど、実際に使ってみなければ分からない事柄が多くあるという。

 それゆえ、多くのドローンが住宅地で飛び交うことは不可能だと富田氏は話し、「経済界に配達ドローンはあり得ないと言った」こともあるそうだ。ドローンの知識や特性をよく知った上で、現実とギャップのないアイデアを出す必要があると富田氏は話す。

富田氏は自ら多くのドローンを所有しており
富田氏は自ら多くのドローンを所有しており、ハウステンボスでのドローンレース開催にも積極的に取り組み表彰式にも登場するなど、ドローンに対して深い造詣を持つ

 また富田氏は、「アイデアを出すなら人を幸せにすることを考えるべきだが、人を楽にすることは幸せにすることではない」とも話す。“人を楽にすること”の事例として自動運転を挙げ、「人は車を運転したいのに、なぜかすべて自動化しようとしてしまう。そんなことを言うから、1つのものが正しいか正しくないかという軸で考えようとする、シンギュラリティなどという言葉が出てくる」と批判する。

 一方で、自動運転の対比としてセグウェイについて触れ、人間のバランス感覚で運転できる「究極のロボット」だと高く評価。“人を幸せにすること”とは、人の能力を引き出すことであり、人を幸せにするアイデアを本気で出して欲しいと話した。

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