サムスングループ後継者のイ・ジェヨン氏(李在鎔、Lee Jae-yong)が朴大統領やその友人への贈賄容疑でついに逮捕されたというニュースが17日朝に流れていた。この一連の出来事については、2016年暮れに一度触れていたが、今回はその後目にした記事のなかでとくに記憶に残っていた話を紹介する(逮捕自体について詳しくお知りになりたい方は下記の記事などをご覧いただければと思う)。
1月下旬にVoxに掲載されていた記事で、サムスンの組織や経営手法について分析したものがあった。
この記事は経営学の教授3人がまとめたある研究論文の要旨を紹介したもので、なかには「グループ内あるいは社内の競争が、サムスンがスマートフォン分野を支配することに役立った("Internal competition helped Samsung dominate smartphones")」、あるいは「サムスンの経営モデルにはトップからの強いリーダーシップが必要("Samsung’s model requires strong leadership from the top")」といった小見出しが躍っている。
サムスンのような巨大企業グループ(一大財閥)にとって、創業家の血を引く経営トップは国家でいえば立憲君主のようなもの。この記事を読むまでその程度の認識しかなかった私にはとくに後者の指摘が意外だった。つまり、サムスンくらいの企業になれば優秀な上級・中堅幹部もたくさんそろっているだろうから、よしんばトップがしばらく不在となっても(表舞台に立てなくなっても)現業はそれなりに大過なくまわっていくのでは、と思っていたためだ。
それとは別に、現会長でJay Y. Leeの父親にあたるイ・ゴニ(李健煕、Lee Kun-hee)が、過去に贈賄や脱税などでそれぞれ有罪判決を宣告されながら、その度に恩赦されて経営に復帰していたという前例もあるので、息子のほうもそれにならって、しばらくほとぼりを冷ましたのちにふたたび……などとも思っていた。
だが、実際にはそれほど簡単に事が済まない可能性もあるというのがこのVox記事の趣旨といえる。
2016年後半にバッテリ発火問題で世間を騒がせていた「Galaxy Note7」。あのバッテリの供給元としてSamsung SDIおよびAmperex Technologyという2つの社名があがっていた。SDI社は「Galaxy Note7」の製造販売元であるサムスン電子にとって「兄弟会社」、いっぽうAmperex社は(日本の)TDK傘下のメーカーでサムスン電子にとっては「外部のサプライヤー」にあたる。
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