Googleの自動運転プロジェクトを引き継いだ新会社Waymoの自動運転車で、危険の回避や問題修正のために人間が運転を替わらなければならなかった件数が大幅に減少した。
カリフォルニア州の車両管理局(DMV)は、2016年に同州の公道で車両の走行テストを実施したすべての企業に関して、自動運転機能の解除件数に関する報告書を公開した。これらの報告書では、車両の自動運転モードから人間のドライバーに運転を替わる必要があった件数を記載している。
中でもWaymoからの報告では、同州での走行距離が2015年比で50%増と大きく伸びたにもかかわらず、自動運転機能の解除件数が大幅に減少したことを示している。
Waymoの自動運転車が2016年にカリフォルニア州の公道を走行した距離は63万5868マイル(約102万3330km)だったが、そのうちドライバーが運転を替わる必要があったのは124件で、2015年の341件から減少した。2015年における自動運転車の走行距離は42万4331マイル(約68万2894km)だった。
Waymoが強調しているように、1000マイル(約1609km)あたりの自動運転機能解除件数は2015年の0.8件から2016年には0.2件となり、前年比で75%減少した。
自動運転機能の解除件数には、自動運転技術の不具合または安全上の理由(他の道路利用者による行為が問題になる場合など)によって、ドライバーが運転を替わったケースが含まれている。
技術的不具合のためにドライバーが運転を替わらなければならなかった件数は、2015年の1000マイルあたり0.64件から2016年には0.07件と89%減少した。一方、安全上の理由で自動運転機能を解除した件数も、同期間に0.16件から0.13件に19%減少した。
ただし、Waymoの自動運転車で人間のドライバーが運転を替わらなければならなかった最大の原因は「ソフトウェアの不具合」で、自動運転機能の解除件数は51件だった。次に多かったのが、車が「望ましくない操作」を行ったケースで30件にのぼり、続いて「認識の不具合」が20件だった。
Waymoで自動運転技術の責任者を務めるDmitri Dolgov氏は、同社の「進歩に満足している」と述べ、近いうちに自動運転車が交通の安全を改善できることに楽観的な見方を示した。
Dolgov氏は次のように述べている。「このように4倍も改善できたのは、われわれがソフトウェアやハードウェアの機能を強化して成熟させるために取り組んできた相当な作業を反映している。それに当社は、人々をドアツードアで輸送できる自動運転車を開発しているので、ほぼすべての時間を都市や郊外の複雑な道路に費やしている」
「そのためわれわれは、歩行者や自転車に乗る人と交通の安全を共有するとともに、無防備な左折をしたり多車線の交差点を横断したりするなど、高度な操作を練習するという貴重な経験を得た」(Dolgov氏)
なお、Tesla Motorsによる報告では、同社の車両が自動運転機能を解除した件数は、走行距離550マイル(約885km)で177件となっている。
カリフォルニア州の自動運転プログラムに参加している各社は、米国時間1月1日までに自動運転機能の解除件数に関する報告書と併せて、交通事故があった場合はその報告書を提出するよう求められていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」