しばらく立ち往生しているように見えたGoogleの自動運転プロジェクトが、ここへきて取り組みを加速させているようだ。
それも、猛烈な勢いで。
Googleから独立した新会社Waymoで最高経営責任者(CEO)を務めるJohn Krafcik氏は、デトロイトで開催中の北米国際オートショーにおいて、ミニバン「Chrysler Pacifica Hybrid」をベースとした自動運転車を披露した。そもそも、Googleの自動運転プロジェクトが本当に中断していたのかどうかも定かではない。Krafcik氏が説明した進捗状況からすると、このプロジェクトはずっと「万事順調」のままだったようにも思えるからだ。
Krafcik氏によると、Waymoは自動運転関連のセンサをすべて自社開発することで、センサのシームレスな統合を図っているという。カメラシステム、レーダー、LIDAR(光検出と測距)などのセンサで構成された新しいネットワークは、車がより遠くの状況をより正確に判断できるようにするだけではない。以前のハードウェアパッケージに比べて価格も安くなっている。どのくらい安くなったかについて、Krafcik氏は次のように述べている。「わずか数年前には、最もハイエンドのLIDARが1基で7万5000ドル以上もした。しかし現在、われわれはその価格を90%以上下げている。90%だ。生産量を増やせば今後さらに下がる見通しで、目標はこのテクノロジを数百万人が利用できるようにすることだ」
上記の発言から、LIDARセンサの価格は7500ドル程度になっていると思われる。依然として従来の市販車に搭載するには高価だが、それでも大きな進歩であり、今後さらに大幅な改善が進む可能性が高い。また、Waymoの新しいビジョンシステムは、少なくとも8つのモジュールを複数のセンサと組み合わせているほか、車両の前面から周囲を360度確認できる「超高解像度マルチセンサ」を搭載している。そのため、車がフルスピードで走行しているときでも、遠くにある通行規制のコーンを検知できるとKrafcik氏は説明している。
また重要な点として、Waymoはレーダーの開発も大きく進展していると述べており、新しい360度対応のレーダーシステムは、前方を走る車を追跡できるだけでなく、後ろから近づいてくる車も認識できるという。自動運転車が霧、雨、雪といった荒天下でも安全に走行できるようにするために、レーダーはとりわけ重要なツールだと考えられている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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