ソニーが教育分野へ--遊びながらプログラミングを学ぶ学習キット「KOOV」

 ソニーが子どものプログラミング教育分野に着手した。2月1日に発表した「KOOV(クーブ)」は、ブロック、電子パーツ、アプリから構成されるロボット・プログラミング学習キット。ブロックと電子パーツでロボットを組み立て、アプリで作ったプログラムを転送することで、動くロボットが作れる。遊びながらプログラミングを学ぶことで、問題解決力を養い、論理的に考えていく力を身に着けるという。


電子パーツやブロックを用いてロボットを作れる「KOOV」

 発売開始は2月18日。メイン基盤「KOOVコア」と16個の電子パーツ、172ピースのブロックをセットにした、スターターキット「EKV-120S」(税別価格:3万6880円)、8個の電子パーツ、130ピースのブロックによる拡張パーツセット「EKV-080E」(同:2万1880円)、スターターキットと拡張パーツセットが1つになった、アドバンスキット「EKV-200A」(同:4万9880円)の3ラインアップで販売する。

 KOOVは、ソニーグループ内のスタートアップ企業である「ソニーグローバルエデュケーション」が2016年にコンセプトを発表。教育領域の事業を手掛ける部門として、STEM科目(科学技術教育)のオンライサービスなどを展開する一方、KOOVをソニービルのイベントなどで参考出品し、今回の発売に至った。

 アプリ内に表示されるレシピ通りにブロックを組み立てていくことでロボットを作れる、プログラミング済みの「ロボットレシピ」を用意し、初心者でも使える内容にしていることが大きな特徴。プログラミングをイチから学べる「学習コース」、自らロボットを作り、それを動かすプログラムを自由に組める「自由制作」、自由制作でつくった作品を保存する「コレクション」と4つのメニューをそろえ、初心者から上級者までをカバーする。

 プログラミングは、ドラッグ&ドロップして作るビジュアルプログラミングを採用し、プログラミングブロックをクリックすれば、設計の変更が可能。アプリは、Windows 7(64bit)、Mac OS 10.9以降のPCとiOS 9以降のiPadで動作する。


「KOOVスターターキット」と「KOOVアドバンスキット」を用意する
  • バッテリボックス(左)とコア(右)

  • ふたを開くと電子パーツなどが収納されている

  • 電子パーツの下にはブロックが入っている

 対象年齢は8歳以上で、ブロックの組み合わせによる高度なロボット制作ができることや、プログラミングの楽しさから、大人の趣味層、またシニア層などにもアピールしていく計画。ロボットレシピの数は、アドバンスキットで22個、スターターキットで14個を用意し、今後も増やしていく予定だ。

 電子パーツのコアにブロックやケーブル、バッテリボックス、ブロックなどを組み合わせていくことで、ロボットを作成できる仕組み。コアは電子工作の世界で一般的なシステム「Arduino(アルディーノ)」と互換性を持つ。


ソニー・グローバルエデュケーション代表取締役社長の礒津政明氏

 ソニー・グローバルエデュケーション代表取締役社長の礒津政明氏は「スターターキットとアドバンストキットの2つを用意しているが、KOOVは、パーツが多ければ多いほどできることが広がるため、迷われた際はアドバンストキットをお勧めしたい。個人向けの販売からスタートするが、教育機関などへの展開も考えている」とした。

 販売は当初日本のみになるが、追って中国でも発売する予定。ソニーストアのほか、家電量販店のオンラインショップなどで取り扱う。玩具扱いのため、保証書は付属しておらず、現在は初期不良の場合のみ、交換対象になる。パーツごとの故障や紛失はソニーマーケティングの問い合わせ窓口経由で対応する。

 今後はユーザー向けのワークショップなどを計画しているほか、独自で作ったロボットを見せられるコミュニティスペースなども用意するとのこと。将来的には独自で組んだプログラミングをやり取りできる場にしていきたいという。


右からソニーコンピュータサイエンス研究所代表取締役社長の北野宏明氏とソニー・グローバルエデュケーション代表取締役社長の礒津政明氏。北野氏は「ソニーはソニー教育財団などもあり、教育は長く取り組んできた分野。今回事業として取り組むことで、この領域でも貢献していきたい」とコメントした

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