「つまるところ、あらゆる年齢の人に『マリオ』や『ゼルダ』を、そして両方のプラットフォームで提供されるコンテンツを楽しんでもらいたい」(Fils-Aime氏)
任天堂がSwitchのローンチタイトルとして米国で発表したのは5作だけで、そのうち3作はサードパーティー製だ。「マリオカート8 デラックス」の発売は1カ月以上先だし、「スーパーマリオ オデッセイ」はホリデーシーズンまでプレーできそうにない。
Switchの米国でのローンチタイトル数は、Wii Uの34タイトル、Xbox Oneの22タイトル、PlayStation 4の24タイトルと比べて見劣りするが、任天堂は意図的にタイトル数を抑えている。Wii U発表時には大量のタイトルを用意したものの、何のメリットもなかったからだ。
Fils-Aime氏は次のように語る。「発売日がすべてではないし、最も重要なわけでもない。本当に大切なのは、プラットフォームを気に入ってくれるユーザーにコンテンツを安定して供給することだ。賢い選択をしたと思える理由も、買うべきか迷っている消費者の背中を押せるかどうかも、それで決まる」
Wii Uに足りなかったのは、このように安定したペースでゲームをリリースすることだったと同氏は述べ、予定どおりの発売とならなかった「ピクミン3」や「スターフォックス ゼロ」などのタイトルを挙げた。
だからこそ任天堂は、Switch向け大作タイトルのリリースに間隔を空けている。発売の暫定スケジュールは13日にツイート発表された。
「このようにコンテンツを立て続けに発表していくことで、Switchプラットフォームを選んでもらえると考えている」(Fils-Aime氏)
任天堂のオンラインゲームプレーの評判があまり良くないことは、Fils-Aime氏も認めている。
同氏は「その点を厳しく指摘されている」と述べた。しかし、オンラインプレーを無料からサブスクリプションベースのモデルに移行することで、その状況が変わる可能性もある。
オンラインサービスはパッケージの一部であり、無料で提供すべきだというのが、任天堂の哲学だった。だが、ソニーやMicrosoftなどの企業がサブスクリプションベースのアプローチを採用するなか、任天堂もそれに倣う必要があることを認識した。
「実際のところ、オンラインプレーはこれまでの進化によって、コストのかかる代物になってしまった。『大乱闘スマッシュブラザーズ』もマリオカートも巨大なマルチプレーヤーゲームであり、そのサポートに必要な数のサーバを用意するとなれば、投資の額はばかにならない」。Fils-Aime氏はこのように述べる。
任天堂から具体的な料金についての発表はまだないが、対戦相手を探すシステムや音声チャットなどの機能が予定されている。また、サブスクリプションユーザーは「ファミリーコンピュータ」や「スーパーファミコン」用ゲームを毎月1本、無料でプレーできるようになる予定だ。
友だちとのつながり方は個々で異なるが、同社は標準化された体験を生み出したいと考えている。「フレンドコードのようなものは予定していない」。Fils-Aime氏はこのように述べ、過去の複雑な友だち追加システムに言及した。
新しいデバイスで過去のタイトルをプレーできるシステム「バーチャルコンソール」がSwitchとどう連動するかについては、Fils-Aime氏からの発言はない。「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」の成功によって、任天堂は過去のゲームを復活させる大きなチャンスを手にした。同氏によれば、バーチャルコンソールの件に関する詳細は、Switchのリリースより前に発表する予定だという。
Switch本体のデザインはタブレットに似ているので、タブレットのような機能もあるのかと考えたくなる。たとえば、テレビ番組や映画のストリーミング、ウェブ閲覧といった機能だ。その点についても、まだ発表はない。また、オンラインゲームのサブスクリプションサービスの料金だけでなく、サブスクリプションで他にどんな機能を利用できるのか、Wii Uからダウンロードしたゲームを転送できるのかどうかも明らかにされていない。
どうやらFils-Aime氏は、Switchに関してまだ1つや2つのサプライズを用意しているようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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