1週間のApple関連ニュースをまとめた「Appleニュース一気読み」。2017年も、引き続き、毎週お届けして行ければと思っている。
さて、Appleを定点観測している中で、改めて2016年を振り返ってみると、さほどネガティブな印象は抱いていない。
確かに15年ぶりの減収減益や、その原因となった中国の急激な減速、iPhoneがサイクルから外れてデザイン変更しなかった点、デスクトップのMacに新製品が出なかった点など、読者の皆さんが気にしている点もたくさんあるかもしれない。
しかしいずれについても、合理的な説明がつく。中国の減速は、iPhone 6シリーズの「売れすぎ」からの反動であり、むしろ2015年度に稼げるだけ稼いだという印象の方が強い。
iPhoneのデザイン刷新がなかった点は、ハイエンドスマートフォンの買い換えサイクルが2.5年へと長期化しているトレンドを見越してのものだ。
Macの新製品についても、買い換えサイクルを意識した刷新に留まっており、MacBook Proが4年半ぶりに刷新されたことも説明がつくし、iMacが登場しなかった点もしかりだ。もちろん、新製品を待ち望んでいる人にとって、残念な結果であることは変わりないのだが。
筆者は2016年に、iPad Pro 9.7インチ、iPhone 7 Plus、MacBook Pro 13インチTouch Barモデル、Apple Watch 42mm スペースグレイアルミニウムケース、AirPodsという5つのApple製品を手に入れた。
iPhoneこそ買い換えサイクルは1年だったが、MacBook Proは2012年4月以来実に4年半ぶりだ。iPadを手に入れたのは2013年11月発売のiPad mini 2以来で、現在もiPad mini 2は現役モデルとして販売されている。
こうした買い換えサイクルを見ると、必ずしも新製品が毎年出る必要はなく、大きなフォームファクターの変更のタイミングに合わせた需要喚起を行う方が重要であることが分かる。
自前のデバイスを中心に、2016年のApple製品を振り返っていこう。
前述の通り2014年モデルとなるiPhone 6が爆発的に売れたが、その買替え需要が訪れるのは早くとも2017年モデルが登場するタイミングだ。
iPhone 7は2014年モデルであるiPhone 6と同じデザインで登場した。その点で言えば、iPhone 7ではなく、「iPhone 6se」や「iPhone 6t」(thirdのt)という名前にしておけば、誤解も少なかったかもしれない。
iPhone 7 Plusのデザインは変わらなかったが、スマートフォンの顔となるディスプレイの美しさは非常に満足度が高いものだった。明るすぎて普段は輝度を落とさなければならないほどだ。また発色も良く、iPhone 7 PlusやiPhone 7、iPad Pro以外のデバイスでの見え方を気にしなければならない。
またiPhone 7 Plusには2倍望遠のレンズが備わっている。ミラーレス一眼デジタルカメラを使用している筆者からすると、標準と望遠の2つの単焦点レンスを持っていて、それを1タップで付け替えられる感覚だ。
2つのレンズを生かしたポートレートモードによるぼけの表現は、若干輪郭が不自然にぼやけることもあるが、ピタリとハマると、スマートフォンのカメラで撮ったとは思えない味のある情景を切り取ってくれる。
防塵防滴性能を得たこと、バッテリーがより長持ちするようになったこと、処理性能が向上したことなど、進化のポイントはいくつもあるし、デバイスへの満足度も高い。
しかし「安心して使える大型のiPhone」という評価を覆すほどのものではない点は、技術的な側面、デザイン的な側面、そして買替え需要の見込みを総合した、現時点での「最良」であると捉えるべきだろう。
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