アップルの2016年を振り返る--「iPhone」失速からトランプ騒動まで - (page 2)

Adrian Kingsley-Hughes (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部2016年12月27日 07時00分

 同社はまた、これまで門外不出にしてきたiOSの主要技術を開発者に公開すると発表した。

 Siri、メッセージ、HomeKitがサードパーティー開発者向けに公開された。iOSおよびmacOS向けの既存の、そして新しいアプリすべてでこれらを使える。OSに次々と機能を組み込んで膨張させるのではなく、こうすることでユーザーはサードパーティー製アプリをダウンロードして、追加したい機能を選べるようになる。

悪いニュースと明るい兆し

 2016年の第3四半期は、Appleにとって特に悪い四半期だった。

 Appleはかろうじてアナリスト予測を上回ったが、第3四半期はハードウェア販売が非常に不調だった。

 まず、iPhoneの販売から見ていこう。出荷台数は2014年第4四半期以来最低の4040万台だった。急落とまでは行かないが、これはiPhoneの販売がいかに弱くなっており、ヒットする新しいiPhoneを切実に必要としているかを示している。

 さらに心配なのは、iPhoneの平均小売り価格が前期の641ドルから595ドルへと、大きく下落したことだ。アナリスト予測の606ドルも下回った。

 これは、消費者がiPhoneの高額なモデルよりも安価で機能も低いモデルの購入を選んでいることを示す。それは、低価格のiPhone SEなどだろう。Appleはこのデバイスを、iPhoneの新規ユーザー獲得のために投入した(そして恐らく、その次にはもっと高額なiPhoneを購入してもらおうという考えだ)。

 だが、希望の兆しは常にあるものだ。暗闇に差す一条の光は、Androidからの乗り換えユーザーだった。

 AndroidユーザーがiPhoneに乗り換えている。最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏によると、同四半期は、スマートフォンを初めて購入するユーザーと共に、Androidからの乗り換えユーザーが「iPhone販売に占める割合は非常に大きかった」という。

古びていくものたち

 8月になるころには、Appleが新たな問題に悩まされていることがはっきりしてきた。ハードウェアのラインアップが古く、時代遅れになりつつあり、刷新を必要としていた。

 私は既に、MacとMacBookシリーズのラインアップがいかにみじめかを見てきた。「MacBook」は別として、買うに値するものがない。古い(5Kの「iMac」)か、非常に古い(「Mac Pro」)かなのだから。どれを買うにしても、移り変わりの激しいテクノロジ業界の標準からすれば旧式の製品に高い金を払うことになる

 それだけではない。

 9.7インチの「iPad Pro」を除き、iPadシリーズはすべて新モデルへの刷新を必要としているか、刷新の時期をかなり過ぎているかだ。「iPad Air 2」は発売からほぼ2年経っているというのに、Appleは消費者がこのタブレットに高い金を払うと考えている。

 「Apple Watch」も発売から1年以上経つ。Appleは今年、50ドルの値引きを行ったが、すぐにでも新製品が出るかもしれないのに今購入する気にはなれない。

 iPhoneを買うにもひどいタイミングで、あと数週間で新モデルが登場する。

「iPhone 7」でAppleが下した“ばかげた”、そして“ユーザーを敵に回す”決定

 テクノロジ業界はiPhoneの新モデルを待ちわびていた。そして9月、ついに「iPhone 7」が降臨した(大量の情報リークのおかげで、スペックなどのほとんどすべてを事前に知ってはいたが)。

 iPhone 7のアップグレードは非常にささやかなものだったにもかかわらず、予約台数は記録を更新した。だが、3.5インチのヘッドフォンジャックを排除するという“ばかげた”そして“ユーザーを敵に回す”Appleの決定をめぐる論争がこのデバイスのデビューに影を落とした。しかしAppleは、当初は“ばかげた”そして“ユーザーを敵に回す”ものに見える決定をしてきたという長い歴史を持っている。

 だが、Appleが“ばかげた”そして“ユーザーを敵に回す”行為だと人から非難される決定をするのはこれに始まったことではない。

 その幾つかを挙げよう。

  • フロッピードライブの排除
  • Blu-rayの非サポート
  • 光学ドライブの排除
  • 世界中がUSBを選択する中でのFireWireへの固執
  • スマートフォンでの物理キーボードではなくスクリーンキーボードの採用
  • iPodでの30ピンの専用コネクタ採用
  • USBポートのないタブレットの発売
  • 30ピンコネクタから別の、やはり専用コネクタへの移行。他社に倣ってUSBに移行することはなかった
  • 高速接続のためにUSBではなくThunderboltを採用
  • 充電と周辺機器の接続用のUSB-Cポートが1つしかないMacBookの開発

浮き沈み、そしてMicrosoftに出し抜かれる

 Appleが10月に発表した第4四半期の業績は、アナリスト予測を上回り、投資家を喜ばせた(だが、iPhoneの未来についての心配はこれまでになく現実的だった)。

 iPhoneの4550万台という販売台数はアナリスト予測をわずかに上回った。この台数は、前期より13%多いが、前年同期からは5%減っている。

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