米HubSpotは米国時間11月9日、年次カンファレンス「INBOUND 2016」で新製品と製品アップデートを発表した。
新製品の1つは、無償のマーケティングツール「HubSpot Marketing Free」。これは「HubSpot Marketing」の機能限定版で、ウェブサイトのトラフィックを見込み客に変えるためのツールを提供する。具体的には、ポップアップ入力フォーム、顧客インサイト、アナリティクス、ダッシュボードなどの機能を備える。
もう1つの発表が「HubSpot Growth Stack」だ。HubSpot Marketing Freeに加え、「HubSpot Sales」「HubSpot CRM」の3つのプラットフォームで構成されている。インバウンドマーケティングに必要な基本機能を無償で利用でき、各ツールのシームレスな連携を可能にしている。
INBOUND 2016で発表された製品アップデートは、大きく3つに分けられる。
1つはプラットフォームをより使いやすく、強力にするためのアップデートだ。これについては、ワークフロー機能のインターフェースをビジュアル化する「Visual Workflows」、ファネルの最上部に関する分析を簡単に行え、直帰率やソース別の訪問者数などの指標を把握できる「Enhanced Reporting」、3つに分かれていたマーケティングとセールス、CRMのアプリを統合したiOSアプリ「Unified Mobile App」が発表された。
マーケティングツールに対してもアップデートが実施された。
まずは、コンテンツのテーマやキーワードの選定を支援するツール「Content Strategy」である。ターゲットの興味のある情報を収集、整理、ランク付けしながら、コンテンツの制作やフィードバックの収集ができる。「Collect」「Composer」という新しいコンテンツ制作ツールと連動する。
また、スマートフォンやタブレットでウェブページを高速に表示する「Google AMP」に標準対応する。コンテンツ最適化システム「HubSpot COS」で発行された全てのページがAMPに基づいて最適化される。
広告管理ツールが近日中にFacebookへの広告出稿に対応する。HubSpotのプラットフォーム上でFacebook広告を制作し、広告の効果測定や最適化を実施できる。
生産性管理ツール「Projects」も追加された。作業内容を体系的に管理できるようになり、チームによる共同作業を容易にする。プロジェクトのテンプレートが用意されており、マーケティング戦術を迅速に実行できようになる。
最後はセールスとCRMに対する機能アップデートだ。
HubSpot CRMの「Deep Functionality」は、複数の企業情報を統合したり、親子関係を追加したりして、コンタクト先の追跡や接触を容易にするもの。さらに、2017年には「LinkedIn Sales Navigator」と統合され、営業担当者がより効率的に見込み客の調査や接触を実施できるようになる。
「Meetings」「Messages」という2つの機能も追加された。Meetingsは、メールやウェブサイトに埋め込んだリンクを通じて営業担当者のスケジュールを共有し、顧客や見込み客との打ち合わせを調整できる機能だ。
Messagesは、ウェブサイトに訪れた見込み客とリアルタイムに会話ができるチャット機能。訪問者が最も関心を示しているときに営業担当者がアプローチできるようになる。
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