MicrosoftとAppleは先々週、クリエイティブなコンピューティングの未来について、異なるアイデアを掲げて対峙したが、Microsoftの方が多くの点でイノベーターらしいという印象だった。
同社は円筒形の新しいデバイス「Surface Dial」、大型のタッチスクリーン式コンピュータ「Surface Studio」、機能強化された「Surface Book」を発表したほか、手ごろな仮想現実(VR)ヘッドセットについて大胆な攻めの戦略を示した。このVRヘッドセットは、仮想的なデジタルの物体を現実の空間に重ね合わせて見ることができる複合現実の未来を、着実に構築して広げていくものとされている。これらの発表によって、同社はAppleよりも際立つ独自性を放っていた。
Appleが発表したビッグニュースは、さらに小さく薄くなった「MacBook Pro」だった。キーボードの奥に小さな「Touch Bar」が搭載されたものの、メインスクリーンは今なお頑としてタッチ操作を受け付けない。素晴らしいノートブックには違いないが、結局のところ、既存の製品ラインに対するかなり控え目なアップグレードとなった。
米CNETは、Microsoftのデバイス事業を率いるPanos Panay氏(Surface発表の直接の責任者でもある)にインタビューし、新しいSurfaceデバイスについて、そしてSurface Dialなどのアクセサリが適合しそうな用途について話を聞いた(インタビューしたのはMicrosoftのイベント後で、Appleによる発表の前日だったが、その時点で流れていたリーク情報の大半は正確なものだったことが判明した)。
Surface Dialは、これまでにない手ごろな価格の画期的なアクセサリによって、Surfaceがどう進化するのかを示すものかもしれない。Surface Dialに対する熱狂的な反応についてPanay氏に聞いたところ、同氏自身も驚きだったようだ。だが、99ドルという価格のSurface Dialは、Surfaceが目指す先の大きな部分を占めているように思える。
「アクセサリは、話が簡単に済んでしまうこともあるという意味で、少々軽視される面もある。だが、使わなければ体験が完成しないというアクセサリもいくつか存在する。今すぐキーボードをなくしてしまったら、トラックパッドを取り外してしまったら、どうなるだろうか。あるいは、Dialの使い方を覚えたところで取り上げられてしまったら、フロー全体が変わってしまうだろう」(Panay氏)
名前とは違って、Surface DialはSurface専用というわけではない。「Windows 10 Anniversary Edition」にアップグレードしたWindows PCなら、どれもSurface Dialに対応する。
Panay氏は、今後もさらにアクセサリが登場する可能性をほのめかしている。これは、Microsoftがどのようなイノベーションを起こし、どのような点でAppleなどの競合をリードしようとしているかを示す手がかりになるかもしれない。
Panay氏は「これで終わりではない」と語る。
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