ジョニー・アイブ氏、「MacBook Pro」の新機能「Touch Bar」開発秘話を語る - (page 2)

Connie Guglielmo (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2016年11月15日 07時00分
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 したがって、われわれの出発点は、2つの異なる入力方法の最も優れた部分を組み合わせた、新しい入力をデザインすることが可能かどうか模索することでした。つまり、個々の状況に応じて変化する柔軟性を備えると同時に、機械的で固定されたものを合わせて作れるかどうかということです。なぜなら、予測可能な、固定された一式の入力メカニズムも備えることは本当に価値のあることだからです。

 一列に配置されたファンクションキーは、明らかに探求する価値がある対象のように思えました。

 これまでずっとしてきたように、われわれは可能な限り迅速にデザインを開発します。これらのアイデアに価値があるのかどうかを確実に見極めるためには、かなり成熟したソフトウェア環境と、かなり成熟し洗練されたハードウェアプロトタイプが必要だったため、これは特に難しいプロトタイプでした。われわれにとって、以前から大きな課題になっていることの1つは、自分たちがそのアイデアを検討しているのか、それとも、実際にはプロトタイプがどれだけ効果的なのか評価しているだけなのかを本当に理解するためには、十分に洗練された水準のプロトタイプを作らなければならない、ということです。

--あなたは、プロトタイプについて検討する段階以前に、高度なソフトウェアとハードウェアが揃っている必要があるとおっしゃいました。開発にはどのくらいの期間を要したのですか。

Ive氏:特にどの製品向けでもない、かなり出来のいいプロトタイプが完成したのは、おそらく2年前だったと思います。より大型の、触覚フィードバックが優れたトラックパッドというアイデアを試していました。そこから生まれたのが、キーボードに組み込まれたTouch Barです。プロトタイプの見た目の完成度がそれほど高くなかったのは確かです。しかし、それによって、このプロトタイプは、われわれが概念的に期待しているほど有用で魅力的だろうか、といったことを考えられる環境が生まれました。

 そこで、タッチとディスプレイベースの入力を機械的なキーボードと組み合わせることにしました。そこに関心を集中させました。われわれの全員が方向性として(Touch Barに)大きな魅力を感じていました。それを実際に使用し、これは非常に興味深い方向性の始まりだと感じていたからです。しかし、それでも(Touch Barは)始まりにすぎません。

 ここである意味、宗旨を変えなければなりません。なぜなら、それを製品化して、アイデアを発展させ、特定の製品に応用できるように変化させたり、洗練度を高めたりしていく方法を考える必要があるからです。MacBook Proという製品で、薄型化、軽量化、高性能化も試みながらそれを実現するには、タッチのような、特有の課題が多く存在する入力の方向性を採用することによって負担を増してしまうことは避けなければなりません。

 魅力的なデザインの方向性が決まると、かなり安心してしまうことがあります。しかし、完成品に妥協を加えることなくそのデザインを洗練させる方法を考え出せないのであれば、重要なアイデアの価値を損なってしまう可能性はまだ残っています。

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