たった1つの単語を置き換えるだけで、大きな違いかあっただろう。
「Pro」ではなく、「Air」だったら。
Appleが先々週に発表したのが新しい「MacBook Air」だったら、怒ったプロのクリエイターたちに攻撃されることも、Appleが混迷しているのではないかとアプリ開発者を心配させることもなかっただろう。
なぜなら、実際に発表された新しい「MacBook Pro」は、基本的にはMacBook Air、しかもこれまでで最高のMacBook Airだからだ。
少し時間を巻き戻そう。今は、10月27日(木曜日)で、Appleのイベントの最中だ。
想像してみよう。Appleが、新しいMacBook Proを発表する代わりに、新しいMacBook Airを発表したと。先代モデルより12%薄く、容積では13%小さく、重さはほぼ同じで、より高速なIntelのプロセッサ、より速いGPUを内蔵し、さらにはMacBook Airに以前から強く求められていた、シャープで明るく、色彩が美しいRetinaディスプレイを搭載するMacBook Airだ。
1000ドルからではなく1500ドルからという価格は確かに高いが、この価格で2倍のSSDが得られるのだ。あと少し上乗せすれば、RAMを2倍に、ストレージを4倍にでき、素晴らしい第2のディスプレイである「Touch Bar」と指紋認証センサの「Touch ID」まで付いてくる。
MacBook Airのプロセッサはいつから1.6GHzだったろうか。新しいMacBook Airのプロセッサは2.0GHzあるいは2.9GHzで、オプションで3.3GHzにまでアップグレードできる。
確かにキーボードが薄くなり、フルサイズのUSBポートとSDカードスロットがなくなり、たった2つ(あるいは4つ)のThunderbolt 3ポートしか付いていない。だが、われわれAppleは、より正確なに入力できるキーボードと、Thunderbolt 3のケーブル1本での快適なモバイルライフスタイルを提供する。
マニラ封筒からMacBook Airを取り出して1本のケーブルをつなぐだけで、充電、周辺機器接続、複数のディスプレイへの電力供給を同時にできるようになった。
ああ、それからもうひとつ。われわれは皆さんがMacBook Airをとても気に入ってくれていることを知っているので、15インチモデルを作った。これがどれくらい高速か、信じられないくらいだ──昨年のMacBook Proより50%も高速なクアッドコアCPU搭載だ! GPUは2倍以上速いのに、バッテリ持続時間は13インチモデルと同じ10時間だ。
MacBook Airで写真やホームビデオを編集したいなら、これこそあなたのためのモデルだ。そうそう、このモデルには標準でTouch BarとTouch IDが付属する。
新しいMacBook Airがきっと気に入ると思う。これまでわれわれが作った中で最高のMacBookだ。
------------------------------------------Appleの新しいノートブックについて、ここまで書いてきたことはすべて本当だ。ただし、実際はMacBook Airではなく、新しいMacBook Proについてだが。
Appleは新しいMacBookを、先代より速いAirとしてではなく、先代より薄いProとして市場に出すことを選んだ。だが、実際には基本的に同じものなのだ。そんなことはAppleもよく分かっている。Touch Barのない13インチのMacBook ProはMacBook Air購入者向けに設計したと示唆したのはAppleのマーケティング責任者であるPhil Schiller氏(上の写真の人物)なのだ。
「MacBook Airの購入を検討している人は、この製品にも非常に魅力を感じると思う」とSchiller氏は語った。
だが、モデル名としてProとAirのどちらを選ぶかというのは、単なる意味論ではない──Proという言葉は重要なのだ。
新しいMacBook Proはプロ向けではなく、プロはそれを知っている。
Proという単語を選んだことで、Appleは多くの顧客を失うことになるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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