これは、混乱を招いている事例の1つである。
この不快で生々しい風刺漫画のことを言及しているのであれば、これは明確な答えのない興味深い事例だ。当初、不快でひどい作品だと多くのユーザーが訴えたにもかかわらず、Facebookはこの風刺漫画を芸術作品と定義した。最終的に、この投稿は削除された。風刺漫画が投稿された団体(ミシシッピ州のNew Black Panther Party)のページは、過激派組織とつながりがあるとみられるにもかかわらず、今も運営され続けている。Facebookはこの事例に対する判断の詳細について、コメントを控えた。
--過激派組織「イスラム国」(IS)がFacebookに投稿していると聞いた。同社はテロリストによる投稿を認めているのか。Facebookはテロリストの発言を認めていないが、そうした投稿を見つけたときに通報するかどうかは、ユーザーの判断に委ねられている。
--Philando Castileさんの動画はなぜ削除されたのか。Facebookは、Castileさんの婚約者が撮影した動画が一時的に削除されたのは、技術的な問題が原因だとしている。動画はそのすぐ後に再び公開された。
--Castileさんの動画を再度公開したとき、Facebookが生々しい場面についての警告文を追加したのはなぜか。Facebookは動画や写真に警告文が必要と判断した場合に、それを追加するようになった。13歳の子供でもFacebookでアカウントを作成できることを考えてみてほしい。
--自分の(家族の誰か)が書いた人種差別的な投稿をFacebookが削除しないのはなぜか。Facebookはコンテンツを削除する重要性をケースバイケースで検討する。削除する代わりに、カウンタースピーチで対応することもある。芸術的な価値や論評などの要素も考慮に入れる。
同社がよく言うように、難しいのは、Facebookがオンラインのほぼすべての人が集まる場所になるのを目指しているということだ。そのため、特定のイデオロギーや政治的信条をすべてのユーザーに押しつけると、反感を買うことになる。
そして、世界各地から人々が集う場所になるということは、Facebookがすべてのユーザーに適用される一連のポリシーを作らなければならないことを意味する。この人々は、世界のオンライン人口の半数以上を占めている。
--誰がこれらのことを決めるのか。Facebookだ。
--さまざまな政治的信条はどう扱われているのか。Facebookはそれも追跡している。The New York Timesは、Facebookがユーザーの政治的傾向をどのように分類しているのか確かめる方法を発見した。米国のユーザーの場合、Facebookの広告設定ページにアクセスして(ログインしている必要がある)、「Interests」(趣味・関心)の見出しの下に「US Politics」(米国政治)と題されたボックスがあることを確認する。Facebookはそのユーザーがリベラル主義者なのか、穏健主義者なのか、それとも保守主義者なのかをUS Politicsの後ろの括弧内に記載している。
--誰がこんなことをする権利をFacebookに与えたのか。あなただ。筆者もそうである。Facebookにログオンするすべての人が、同ソーシャルネットワークにこの権利を与えている。Facebookのユーザー数は、地球上のどの国の人口よりも多いことを、しっかりと肝に銘じておくべきだ。
Zuckerberg氏は決して選挙で選ばれて公職に就いたわけではない。しかし、同氏は世界で最も重要なウェブサイトの1つを築き上げた。そして、われわれ全員に影響を及ぼす決定を下している。われわれに異議を申し立てる手段は1つも用意されていない。
いや、1つだけ方法がある。
Facebookから永久にログオフすることだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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