カリフォルニア州メンローパークにあるFacebookのキャンパス。その17番ビルの奥深く、「Measure twice, cut once」(念には念を)と書かれたポスターが貼られた複数のドアを抜けたところに、多くの測定作業や切断作業をこなす機械がある。
天井すれすれの巨大で奇妙なその機械からはアームが突き出ており、それが移動式作業台に置かれた金属球に対してさまざまな動きをする。この機械は5軸フライス盤と呼ばれる。そして、この機械が実際にさまざまな方向から物体を切削する作業のデモが実施された。
数フィート離れた場所には、浴槽より少し大きい金属製のプールが、天井から吊された黄色の大きなフックの下に置かれている。プールは青色に塗装されており、側面にはFacebookのロゴが描かれている。プール自体に、鋼鉄や石などほぼあらゆるものを切断できるウォータージェット装置が設置されている。
この2万2000平方フィート(約2044平方m)の施設は「Area 404」と呼ばれているが、その由来は内輪のジョークにある。Facebookのチームはハードウェアに取り組むための中心となる場所を求めていたが、そうした場所は見つからなかった。インターネット上で探しているページが見つからないときに表示される、「404 Not found」というあの恐怖のメッセージから、「404」と呼ばれるようになったわけだ。ここで作られたFacebookの製品群は、現時点では一般公開の予定はない。
同社は米国時間8月2日、本社の奥まったところにあるこの施設に報道陣を招待した。Facebookはユーザーにより多くの写真を共有させ、その過程でより効果的な広告を見せるためのコードを書くだけの集団ではない――。そのことを証明するためだ。
Facebookは、同社が現実世界の物体も作っていることを知ってもらいたいと考えている。具体的には、Wi-Fiアクセスを提供するドローン、仮想現実(VR)ゴーグル、360度の視野を持つ近未来的カメラなどだ。そしてこれらのハードウェアは、同社が最先端の施設と呼ぶこの場所で作られている。
「Facebookでこんな仕事をすることになるとは、夢にも思わなかった」。Spencer Burns氏は作業台でプロペラを手にこう語る。機械をプログラムして、Facebookのためにハードウェアモデルを製作する作業を担当するBurns氏が、このツアーを案内してくれた。
Facebookが9カ月前に建設を開始したこの施設は、2つのセクションに分かれている。電気工学研究所と50台以上の作業台を備えるプロトタイプ製造工場だ。
白色と灰色を基調とするこの部屋では、機械が絶え間なく音を立て、数人の作業員が動き回っている。研究所には危険な設備が多数あるので、Facebookは機械の多くを停止させ、報道陣に安全ゴーグルの着用を求めた。最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏でさえ、適切な認可がなければ一部のエリアには入ることができないとBurns氏は言う。
ビットとピクセルから成るニュースフィードで知られる企業が、物理的な製品を作るために、これほど巨大な施設を開設したことを奇妙に思う人もいるかもしれない。
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