もちろん、Wi-Fi接続やデータ接続が安定していれば、Duoアプリはスムーズに動く。筆者が電波の強い場所で使用したときは、相手の映像がくっきりと表示され、音声も聞き取りやすかった。時々遅延が発生したものの、ほとんどの場合、ほんの数秒で正常な状態に戻った。
しかし、電波が弱めのWi-Fiネットワークにいる同僚と通話したときは、同僚の映像に大量のブロックノイズが発生した。音声はよく聞き取れたが、同僚の顔が1880年代の点描作品のようになってしまった。ただ、同僚が電波の強いWi-Fiネットワークに切り替えると、同僚の画像は鮮明になり、通話品質も安定した。
最近は、ビデオ通話を主な機能とするアプリや、数ある機能の1つとしてビデオ通話を提供するアプリが大量にある。Duoはライバルの多い分野に参入し、Skypeや「Facebook Messenger」などだけではなく、Google自身のハングアウトとも競争することになる。
これら3つの競合アプリはいずれも、単純な1対1のビデオ通話だけにとどまらず、さまざまな機能を提供する。たとえば、メッセージングをサポートしており、複数の相手とビデオ通話を開始することができる。さらに、MessengerではFacebookアカウントが必要ない(電話番号で十分だ)。
しかし、GoogleはオールインワンのコミュニケーションプラットフォームとしてDuoを開発したわけではない。そうしていたら、もっと使いにくいアプリになっていただろう。友人とビデオ通話をしようというときに、メッセージやグループチャットに切り替えたいと思うユーザーはほとんどいない、ともGoogleは考えている。
Duoは機能を必要最低限にしたからこそ、堅実で安定したビデオ通話サービスを提供することができるのだ。このように機能を1つに絞ったことで、別のアカウントにサインインしたり、友人が同じサービスを使っているか確認したり、時間をかけて煩雑なインターフェースを操作したりする必要がなくなった。その上、エンドツーエンドの暗号化機能を備えるため、詮索好きな第三者に会話を盗聴される心配もない(先ほども述べたように、ハングアウトにこの機能はなく、Skypeも安全とは言えない。Messengerはエンドツーエンド暗号化によるユーザープライバシー保護のテストを開始しているが、一般ユーザーへの提供はまだだ)。
確かに、iPhoneユーザーはこれからもFaceTimeを使って連絡を取り合うのだろうが、DuoはiOSとAndroidの溝を埋めるものだ。独創的なノックノック機能、シンプルさを重視するアプローチ、データ暗号化などの特徴を持つDuoによって、相手に挨拶して手を振ることが、これまでよりはるかに簡単になる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)