スマートフォン用のウェブページの中には指先をピンチアウト操作しても画面が拡大できないものがあるが、Galaxy Note7のルーペ機能を使えば、細かい文字でも最大300倍の大きさで拡大表示できるのだ。文字だけではなく写真や図面の一部を拡大したい時や、細かい道が入り組んだ地図を表示したい時などにもこの機能は役に立つだろう。
これと類似の機能は、画面を強く押すForce Touchで実現している製品もある。しかしForce Touchはすべての画面を拡大できるわけではない。これに対してGalaxy Note7のルーペ機能は待ち受け画面のアイコンですら拡大表示できる。「どんな画面でも一部を拡大表示したければ、本体から抜き出したSペンがいつでも虫眼鏡になる」。ペンを使って絵を書くことのない人も、このルーペ機能なら頻繁に利用するだろう。
また英語や外国語を手軽に母語表示してくれる「翻訳」機能も便利だ。Galaxy Note7の翻訳機能は、画面に表示されている文字を単語レベルで翻訳してくれる。たとえばレストランのメニューをカメラで撮影したのち、写真上の単語の上にSペンを近づけると、翻訳された文字が表示されるのだ。
写真だけでなく、さらにウェブを見ていて知らない単語があったときも同様に、Sペンを近づければ意味を表示してくれるし、仕事で受け取ったPDFファイルを読んでいるときにも、Sペンが単語翻訳機になる。細いペン先が単語の位置を正確に指定できるからこそ実現できる機能であり、「わからない単語があればペンを抜けば翻訳機になる」という機能は一般的なユーザーに受けるだろう。なお翻訳対応言語は日本語を含む70カ国語以上に対応しており、海外旅行に行くときは必須の機能になりそうだ。
このほかにも、従来から提供されてきたペン機能は大幅に強化されている。またペン先が細くなったことで、ペンを使った新しい機能も今後追加されていくだろう。Galaxy Note7は本体スペックも当然高く、虹彩認識機能やHDRビデオ再生など新機能も多数搭載している。大画面スマートフォンであるだけではなく、S Penを使えば今までのスマートフォンではできなかった新たな体験を味わえる製品に生まれ変わったのである。
これまでにもペンを内蔵したスマートフォンは数社が販売してきたが、今回のGalaxy Note7に匹敵するだけの使いやすさを提供するペン機能を持った製品は存在しない。ディスプレイの両サイドを丸めたエッジデザインだけでも他社品と大きく差別化できるGalaxy Note7は、この秋冬のスマートフォン商戦で敵なしと言える存在になるかもしれない。
ところでニューヨークで開催されたGalaxy Note7の発表会は、これまでのSamsungの発表会とは様相が大きく異なる内容で行われた。それはSamsungのみならず、最近の各社の発表会ではお決まりともいえるプレゼンが一切されなかったのである。
まず新製品の発表会は、CPUやカメラ画質などのスペックを提示し、それを説明することが一般的だ。ところがGalaxy Note7の発表会では本体サイズすら説明されず、スペックシートの提示も一切なかった。スペックらしい数値はメモリやバッテリ容量、GPUの性能比率くらいであり、Galaxy S7譲りという高性能なカメラの画素数やF値も説明はなかった。
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