スマートフォン市場で一時はAppleに追いつかれたSamsung。だが2015年から思い切った製品ラインアップの統廃合と、フラッグシップモデルのフルチェンジを行ったことで販売数は復調の傾向を見せている。2016年第2四半期の出荷台数は7700万台(IDC調査)で、前年同期の7300万台(同)から5.5%の増加となった。
これは春先に発売した「Galaxy S7」「Galaxy S7 edge」の効果はもちろんのこと、新興メーカーと勝負できるミッドレンジやエントリーモデルを手広くそろえることで、あらゆる市場でシェアを回復させているからだ。
そのSamsungが8月2日に最新モデルとなる「Galaxy Note7」を発表した。Galaxy Note7は5.7インチディスプレイを搭載し専用のスタイラスペンを内蔵する、同社が呼ぶ「Note」カテゴリに属する製品である。SamsungのNote製品はこれまで6モデルが発売されており、春先に登場する「Galaxy Sシリーズ」と並ぶ、同社のフラッグシップモデルの両頭を担う1製品になっている。
しかし今回発表されたGalaxy Note7は、これまでのNote製品にはなかった新たな機能を多数搭載し、Noteシリーズと言うカテゴリを一歩超えた、次世代のスマートフォンと呼べる製品に仕上がっている。最大の進化は付属のスタイラスペン「S Pen」機能の拡大だ。
NoteシリーズのSペンはこれまで、スマートフォン上で書き込みを行うためのペンとしての機能を強化してきた。スケッチブックを使ったお絵かきや、ノートアプリ上に思いついたアイディアをメモしたり、スクリーンショットを撮ってそこに書き込んだり、といった機能だ。
Galaxy Note7でもペンを使うアプリは健在で、複数に分かれていたペン関連のアプリが1つにまとまり、使いやすくなった。絵を描くときは、色を書いた上に別の色を重ねて描くと油絵や水彩具のようにそれぞれの色が混ざる、といった機能も加えられている。ただし現実にはGalaxy Note7を使って絵を描くユーザーはそれほど多くないだろう。
Galaxy Note7のSペンの進化のポイントは、ペンをポインティングデバイスとして使う新しい機能が加えられたことだ。これにより過去のGalaxy Noteシリーズはもちろんのこと、他社のスマートフォンでも実現できない機能が実現できたのである。ちなみにこの機能強化のためにGalaxy Note7のS Penのペン先は従来品の半分以下の0.7ミリになり、細かい操作が行いやすくなっている。
例えば最も便利と思われる新機能が、画面の拡大表示だ。Sペンを本体から抜くとペンを使うアプリのショートカットメニューが表示される。そこから「ルーペ」をタップすれば、画面上にSペンを近づけるだけで、画面のその部分を拡大表示できるのである。
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