タイの現地スタッフと切磋琢磨し奮闘--MicroAd Thailandの日本人女性3人に聞く - (page 3)

現地スタッフから刺激をもらう

――タイ勤務で苦労したことはありますか。

山田さん 設立当初は、タイで知名度と実績がないため、ローカルスタッフが営業に自信を持てないということがありました。営業先の企業から「実績もないのに本当にKPIを達成できるのか」と、厳しい質問を受け悩んでしまうのです。

 日本や東南アジア各国での実績や会社のビジョンを日頃から社員と話し合い、マインドセットを共有するようにしました。また、営業をサポートし、彼女たち自身が実績をつかんで自信を持てるようにサポートしました。今では、当時の新入社員たちが新人教育を担ってくれています。

――バックグラウンドの異なる社員をマネジメントするのは簡単ではありませんね。

山田さん 東南アジアには転職でキャリアアップを図る文化があります。会社のビジョンを共有し、信頼関係を築き、いよいよ本格的にチームとして動き出そうとなった矢先に退職してしまうことも……このときばかりは寂しく、悔しい気持ちになります。

 一方で、タイ人は基本的に真面目で根気強い。日本人ほど働かないというイメージをもたれがちですが、弊社の社員は1日に何十件もテレアポをかけますし、遅くまで会社に残って客先への御礼メールや提案資料を作ることもあります。熱心さにこちらが驚かされます。

 彼女たちのように、東南アジアの職場では女性が力強い。弊社の東南アジアの各拠点のマネジャー層も7~8割が女性です。こうした環境で働いていると、私ももっと頑張らなければと刺激を受けます。

――オフの日はどう過ごしていますか。

吉村さん 週末は地元のマーケットに行きます。雑貨、洋服、アート作品、食品など何でもあって、とにかくすべてが安いんです。若者たちにも人気で、そこでトレンドを知ることもできる。仕事で企画を練るためのインプットとしても役立っています。

達川さん 私はまだ移住したばかりなのですが、タイならではの体験をしようとよく外出しています。最近、ムエタイジムに行ってみたりしました。現地の文化やタイ人の生活についてもっと知りたいですね。

ローカルスタッフの方も交えて
ローカルスタッフの方も交えて

――最後に、それぞれの今後の展望を教えてください。

達川さん オフィス内に同期の社員がいないため、自分の働きを比べる相手が山田と吉村になります。先輩の2人にはまだまだ追いつけませんが、タイの市場について勉強し、自分でも数字を獲得し、負けないくらいの存在になることが今の目標です。

吉村さん 人材の限られた海外拠点では、たとえ若い社員でも幅広い業務を任されます。大変ですが貴重な機会だと思って、これからも挑戦を続けていきたいです。他の拠点の社員とも国籍問わず信頼関係を築いていきたいです。

山田さん ゼロから自分たちで切り拓かないといけないので、正直不安もあります。でも、新しい仕事を作っていけるやりがいは大きい。挑戦したいことも山ほどあります。みんなで力を合わせて、タイのデジタルマーケティング業界をリードしていきたいです。

(編集協力:岡徳之)

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