マイクロアドの東南アジア広報を一手に担う松本未央さん--海外メディアならではの特性は

 この連載では、シンガポール在住の筆者が、日本から東南アジアに拠点を移し、テクノロジ企業で働く女性を紹介していきます。赴任、転職、起業などさまざまなきっかけで新たなキャリアの一歩を踏み出した彼女たちに、仕事の奮闘や自身の将来、海外で暮らすことなどについて聞きます。

 今回はマイクロアドのシンガポール現地法人 MicroAd Singaporeの松本未央さん。同社が進出する東南アジア、インドの各国で広報部の立ち上げと現地担当者の教育を任されています。国によって異なるメディアや記者の特性、広報のコツなど幅広く話を聞きました。

 MicroAd Singaporeはマイクロアドが展開する東南アジアやインドにおける事業の統括拠点。同社が日本でも提供しているディスプレイ広告の配信プラットフォーム「MicroAd BLADE」を、インドネシア、ベトナム、フィリピン、インドの現地広告代理店や広告主に対して提供しています。


MicroAd Singapore APAC PR Directorの松本未央さん

1カ月に3カ国を飛び回る過密スケジュール

――まず、東南アジアで働くことになったきっかけを教えて下さい。

 きっかけは、2012年6月にシンガポールで行われたデジタル系のイベントです。そこには東南アジア各国に拠点を置くさまざまな企業のCレベル以上(CEOなど経営トップ層のこと)の方が多く出席されていたのですが、彼らの情報を吸収することに対する意欲の高さに、これからマーケットが成長していく予感と、シンガポールがこの地域の中心であることを感じ、私もここで挑戦したいと思うようになりました。

 そして、イベントが終わって日本に帰国した後、(マイクロアド代表取締役である)渡辺に直談判しました。すぐに了承の返事はもらえなかったのですが、その後、社内公募制度「F village」に応募し、直談判したときの覚悟が買われ合格し赴任が決まりました。

――松本さんの日々の仕事内容について教えてください。

 APAC PRダイレクターとして、当社の東南アジア、インドにある各拠点の広報支援を行っています。具体的には、各拠点で広報部の立ち上げ、広報担当の教育、プレスリリースの作成・配信、記者対応、記者会見や後援するイベントの運営、社内報の作成・配信、アワードのプレゼン資料の作成など。直近では、当社がいま力を入れているインド市場に関する日系企業向けのセミナーイベントの準備を行っています。


現地で採用した広報アシスタントの教育も担当

――海外出張する機会も多そうですね。

 はい。1カ月に2~3カ国、1カ国につき3~4日間のペースで、4つの拠点を回っています。実際に現地を訪れ、記者の目線で物事を考え、自分の言葉で記者に伝えることが大切だからです。出張で訪れたときにはその国に拠点を置くメディアの記者やPR会社にまとめてアポを取るようにしています。また、イベント支援で訪問することも。各拠点以外にも、香港や米国などは主にアワードイベントで訪れることがあります。

――出張のついでに観光されたりもするんですか。

 それが観光地には行けていないんです。インドやインドネシアがその例ですが、国の交通インフラの状況によっては、アポの間の移動時間だけで1~2時間かかることもあるので、ゆっくりできる時間は少ないんです。

 ただ、たまの空き時間には、ローカルの安いマッサージ屋さんに行ったりします。また会食の機会も多いので出張先で宿泊するホテルにあるジムで汗を流したりして、体調管理をしています。

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