新浪日本総合ネットワークグループは6月15日、中国大手のインターネットポータルサイト「新浪(sina)」と巨大SNS「微博(weibo)」において、日本国内での広告・PRの独占販売権を取得したと発表した。
新浪は、1日の平均アクセス数が11億5000万PV、ユニークユーザー数が6010万人に上る中国大手のインターネットポータルサイト。観光、不動産、美容、ショッピングなど30種類以上の情報を扱っており、女性向けページだけでも月間1.2億PVに上る。微博は、中国最大のSNSで、ユーザー数は6億人以上、月間アクティブユーザー数は2億6100万人を誇るモンスターサービスだ。
微博に関しては、これまでFind Japanが国内代理店となっていたが、今後は新浪日本総合ネットワークグループが微博・新浪の総代理店となる。これにより、取り扱う商品数の制限も無くなった。また、両者の広告商品に加えて編集権も取得。新浪では、各カテゴリの日本に関連するコンテンツやPR記事に限り、同社のみでの作成・掲載が可能。広告PR以外にも、インバウンド・ECに結ぶことができる。
訪日中国人のほとんどは、新浪のようなポータルサイトや、微博の口コミなどをもとにした“買い物リスト”を作成してから来日するという。特に、中国ではテレビや新聞の検閲が非常に厳しく、有名人や友達などの口コミを重要視する風潮があるという。こうした背景に加え、微博で影響力の高いアカウント「KOL(キーオピニオンリーダー)」を活用したレビューなどのプロモーションも可能となる。
中国人は訪日時でも、WeChat(LINEのようなクローズドSNS)、Weiboで友達とコミュニケーションを取り、情報収集には新浪、Baiduを利用する。商品情報もT-mallを利用するのが一般的だという。百貨店やドラッグストアなどの商品に関する口コミや写真が拡散されるという、一つのブームが形成されており、帰国後の越境ECによるリピート購入の促進なども狙えるという。
新浪日本総合ネットワークグループでは、微博における日本でのエリアターゲティング機能を2016年7月初旬ごろに提供予定。訪日時に微博にアクセスすると、GPSやIPアドレスから位置情報を取得し、日本専用のページに切り替わるという。そこでは、人気スポットやグルメなどの観光情報を紹介するほか、バナー広告やセール、クーポン情報などが表示でき、地域ごとのターゲティングも可能。
同社代表取締役社長の橘通頼氏は、「これから訪日客は増えていく。彼らを取り込むメディアはいろいろあるように見えるが、実際のところ機内誌とフリーペーパー以外に手立てがない状態。新浪は日本で言うヤフー、微博はFacebookやTwitterに相当する。両者のシナジーを生かしていきたい」と述べた。
なお、新浪日本総合ネットワークグループは、新浪との直接的な資本関係はなく、両者の総代理店の権利と編集権を取得している形となる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」