UPDATE スマートホーム機器を提供するNestの共同創設者であるTony Fadell氏が、辞任すると発表した。同氏自身の言葉で「leave the Nest」(「Nestを離れる」または「巣立つ」という意味にもなる)と表現した。
著名な幹部であるFadell氏は米国時間6月3日、同社の最高経営責任者(CEO)を辞任して、Googleの親会社AlphabetとそのCEOを務めるLarry Page氏の顧問に就任すると発表した。元Motorola Mobility幹部のMarwan Fawaz氏がNestのCEOに就任する予定だ。Nestは、ウェブ接続型のサーモスタット、煙感知器、セキュリティカメラを製造している。
Fadell氏はブログ記事で、同社を離れる適切な時期だと記した。「5年近く前のNest創業時に、コネクテッドホーム分野が小売業界に存在しなかったことを考えると、コネクテッドホームが主流にまで進歩したのはまさにNestのおかげといえるだろう」(Fadell氏)
この市場が拡大したという同氏の主張は正しい。Amazonのスピーカ兼スマートホームハブ「Echo」はヒット商品となっている。Appleも独自の機器を開発してそれに続こうとしていると報じられている。Nestを2014年に32億ドルで買収したGoogleさえもが、Nest以外のスマートホーム計画を立てている。検索大手のGoogleは2016年5月に開催した開発者会議「I/O」で、Echoに対抗する「Google Home」という製品を発表した(GoogleのCEOであるSundar Pichai氏は当時のインタビューで、これをNestではなくGoogleの製品とするという決断は、家庭を含むあらゆる場所でユーザーに対し、Googleのコンピューティング専門技術を提供したいという同社の狙いに関連するものだと述べていた)。
しかし、Fadell氏の辞任の裏には、Nestが抱える問題がますます増大しているという背景がある。同社はGoogleが期待する売上高を達成できず、従業員は厳しい企業文化に不満を抱えていたと報じられている。しかしPage氏は3日、The New York Timesに対し、2011年に製品販売を開始して以来、Nestの年間売上高増加率は「50%を超える」と述べている。
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