パスワード入力を不要にしようとするGoogleの計画が進行している。「Project Abacus」は、ユーザーの端末使用方法を包括的に解析することでパスワード入力を不要にしようという野心的なプロジェクトである。Googleは米国時間5月20日、このプロジェクトが2016年6月より「複数の大規模金融機関」で試験運用を開始することを開発者会議「Google I/O」で明らかにした。
Project Abacusを考案したGoogleのATAP(Advanced Technologies and Projects)部門を統括するDan Kaufman氏は、「うまくいけば、2016年末までにすべての『Android』開発者に提供されるだろう」と述べた。
Googleはそれ以上の詳細を明らかにしていない。
Project Abacusは、2015年のGoogle I/Oで発表された。人はパスワードを覚えておくことが苦手だが、自分自身として振る舞うことは難しくないという概念に基づいている。特定のパスワードの入力を求める代わりに、Abacusはユーザーの入力方法や話し方を解析し、端末上のセンサからの信号を組み合わせて、本人であることの確からしさを計算する。
その確からしさは「Trust Score」となる。Googleは新しい「Trust Score API」を2016年末までに開発者に提供したい考えだ。Googleの手法が従来のパスワードやPIN、指紋認証によるログインに置き換えられるほど信頼性が高く安全であるかどうかの判断は、開発者に委ねられることになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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