NTTドコモは4月21日、東京大学との社会連携講座として設置された「東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター 健康空間情報学講座」において、アップルのResearchKitを用いて、脈の揺らぎを管理・記録するスマホアプリ「HearTily(ハーティリー)」を開発したと発表した。成人(20歳以上)を対象に、このアプリを使って不整脈と生活習慣病の関連性を解析する臨床研究も開始する。
HearTilyは、スマートフォンのカメラを活用して脈を検知し、脈拍を定期的に収集することで脈の揺らぎを測定するアプリ。一般的に、初期の不整脈は短い時間しか生じず、また数日に1回しか生じないため、健康診断時の心電図では捉えることが難しいものも多く存在するという。そこで同研究では、参加者に脈の揺らぎを自己管理できるスマホアプリを提供し、日常生活内で1日1回、脈拍を記録してもらい、継続的に記録するという。
また、脈拍の情報とスマートフォン内に記録される運動量などの生活情報を組み合わせた大規模データを解析することで、不整脈と生活習慣病の関連性を調べられるため、不整脈の発生を予測することへの応用に役立てられるとしている。さらに、健康空間情報学講座では、着用するだけで心拍・心電位などの生体情報を取得できる機能素材「hitoe」を活用したウェア「C3fit IN-pulse(シースリーフィットインパルス)」を利用した、臨床試験(実施期間は4月21日~6月下旬)も開始した。
同試験では、C3fit IN-pulseをドコモグループに勤務する男性社員が着用し、長期間(60日間以内に30日間、24時間連続着用)にわたって連続的に心拍・心電位の状態を計測。不整脈の早期発見を検証する。なお、C3fit IN-pulseで計測した心拍・心電位などの生体情報は、スマートフォンを介してクラウドサーバにアップロードされ、循環器専門医が確認する。
今回開始する「HearTily」と「hitoe」を使った研究は、東京大学大学院医学系研究科・医学部 倫理委員会の承認を得たうえで実施しているという。今後もドコモと東京大学医学部附属病院は、健康空間情報学講座を通じて、医療をICTでサポートする研究を推進するとしている。
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