家電やエレクトロニクス関連の総合見本市「CEATEC JAPAN 2014」が10月7日に開幕した。NTTドコモは携帯電話キャリアで唯一、ブースを出展し、同社が研究を進めているさまざまな技術や取り組みを披露した。
ドコモブースで最も注目を集めていたのがウェアラブルに関する技術だ。同社は9月30日、NTTと東レが開発した新素材「hitoe」を用いたスポーツウェアと連携することで、トレーニング時の身体の情報を正確に取得できるサービス「Runtastic for docomo」を発表するなど、ウェアラブルと健康に関する研究を進めている。ブースで展示されていた「皮膚アセトン測定による健康管理」もその1つだ。
これは、皮膚から放出されるガスであるアセトンを、体に装着したデバイスを通じて収集し、体脂肪燃焼の度合を測定するもので体脂肪燃焼量の“見える化”を実現できるという。皮膚から出るアセトンは量が少ないことから、数分間である程度量を収集して凝縮してから測定するとのことだ。
従来、皮膚から出るガスの測定には非常に大型の機械が必要だったが、それを腕に付けられる程度のサイズにまで小型化したのが、大きなポイントとなっている。将来的には酔いの程度が分かるエタノールや、老化の進行を示すノニナールなど、皮膚から出るさまざまなガスを測定して健康管理に役立てられるようにしたいとのことだ。
もう1つ、ウェアラブルに関する取り組みとして示されたのが「YUBI NAVI」だ。これはスマートフォンと接続する棒状のデバイスで、握りながら歩いていると、右に進む場合は右にねじれるなど、触感でナビゲーションをしてくれる。スマートフォンの画面を見る必要がないことから、より安全なナビゲーションが可能になる。
さらにYUBI NAVIを握ると、相手のYUBI NAVIに握った触感を伝えられるなど、デバイスを握るだけで触感を通じたコミュニケーションができるのも、大きな特徴となっている。
デバイス面で注目を集めていたのが、iPhoneに“おサイフケータイ”の機能を付与する「おサイフケータイ ジャケット01」だ。やや厚めのカードサイズのデバイスを、iPhoneとBluetooth Low Energy(BLE)で接続することで、おサイフケータイのさまざまな機能やサービスを利用できるもの。専用のジャケットを用いれば、従来の携帯電話やスマートフォンと同じ感覚で、タッチによる決済などが可能になる。
非接触電子マネーカードを収納できるiPhoneケースなどはすでに存在しているものの、これを利用すれば1つのカード型デバイスで、複数の電子マネーサービスなどが利用できるメリットがあるとのこと。スマートフォンと通信するのはオンラインチャージする時などに限られることから電力消費も少なく、別のiPhoneに機種変更した場合もBluetoothの接続先を変更するだけで済むため、通常のおサイフケータイサービスのような移行の手間がかからないのもメリットとなる。
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