ねえ「Siri」、小型「iPhone」を発売してくれてありがとう。でも、「Amazon Echo」のようなスマートスピーカーを提供する予定はないの?
米国時間3月31日はテクノロジ業界にとって重要な1日だった。Appleの「iPhone SE」と9.7インチ「iPad Pro」が発売された。AmazonのEchoスマートスピーカーファミリーの最新製品も発売された。具体的には、ポータブルな「Amazon Tap」とほかのスピーカーに接続可能な「Echo Dot」だ。
多くの読者の皆さんにとって、大きな関心があるのはAmazonの製品群とデジタル音声アシスタント「Alexa」だろう。
なぜなら、プリングルスの容器のような円筒の形をしたEchoスピーカーは、天気予報の確認やNPRのニュースの再生、リマインダーの設定、食料品買い物リストへのアイテムの追加、さらには宅配ピザの注文などの命令を受け付ける機能が支持されて、意外なヒット商品になっているからだ。
ユーザーの自宅は、大手テクノロジ企業が新しい「コネクテッド」ガジェットを提供しようと、しのぎを削る戦場に変わりつつある。それはモノのインターネット(Internet of Things:IoT)と呼ばれる新興分野の一部で、コンセントに差し込まれるほぼあらゆるものを相互接続して、それらすべてが互いに通信できるようにするものだ。市場調査会社のGartnerによると、2020年までに、自動車や電化製品を含むコネクテッドアイテムは約208億台に達する見通しだという。AmazonはEchoとAlexaのおかげで、人々の自宅に起こりつつあるこの変化の過程で、既に中心的な役割を果たしている。Appleはデジタルアシスタントが流行する前にSiriを公開したにもかかわらず、IoTの分野では後れを取っている。
Appleが追いつくには、懸命な努力が必要になるだろう。Echo Dotを使えば、どのようなスピーカーでもAlexaにアクセスできるようになる。サムスンは自社の5000ドルのスマート冷蔵庫にAlexaを追加する可能性について言及している。FordはAlexaを自社の自動車に追加したいと考えている。Googleでさえもスマートホームに資金を投入しており、同社のNest部門はスマートサーモスタット(これもAlexaと連携する)などの端末を販売している。
これまでのところ、Appleが提供しているのは、開発者がスマートホームデバイスを「iOS」モバイルソフトウェアに統合するためのプラットフォームである「HomeKit」だけだ。通常、同社はハードウェアとソフトウェア、サービスを組み合わせた完成品を発売する。HomeKitの場合、同社はそれらの製品の開発をパートナーに頼っている。
Jackdaw ResearchのアナリストであるJan Dawson氏は、「この形態はAppleのいつものやり方と大きく異なる。Appleにとっては実験的な試みだが、あまりうまくいっていないように思える」と述べた。
AppleがHomeKitプラットフォームを発表したのは2014年のことだ。HomeKitはiPhoneや「iPad」でドアの鍵や照明、そのほかのスマートホームガジェットを制御できる機能を提供する。Appleユーザーは1つのプログラムからさまざまなコネクテッドデバイスを制御することが可能(iOSベースのデジタル音声アシスタントSiriも使用できる)で、いろいろなアプリを切り替えながら使う必要はない。
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