コンピュータによるスマート化は電源コードやバッテリのようなものにまで波及しており、混在したさまざまな製品を協調させるのは至難の業だ。
だが、新興企業のSilk Labsは、全体をよりスマートに管理する頭脳を提供できると確信している。
Silk Labsの最高経営責任者(CEO)を務めるAndreas Gal氏は、「われわれは住宅をスマートフォン並みにスマートにしようとしている」と述べた。同氏は、「Firefox」を開発するMozillaで最高技術責任者(CTO)を務めていたが、2015年に退社してSilk Labsを共同で設立した。
カリフォルニア州サンマテオに本拠を置くSilk Labsは、スペインのバルセロナで現地時間2月22日から開催されるモバイル関連イベントのMobile World Congressに向けて、同社初の製品「Sense」を披露している。Wi-Fiで接続されるSenseは、住人が部屋に入ったことを認識し、照明をつけたり音楽をかけたりといった操作を実行する。Senseの設計意図は、スマートホームネットワークを一元管理して協調させる能力を提供することだ。
Kickstarterを通じて販売されている(価格は225ドルから)Senseは、部屋にいる人を認識するためのカメラと、住人が家から出たことを検知するのに役立てるBluetooth接続機能を搭載する。ただし、この製品は一般消費者向けではない。このテクノロジを試して他の家電製品と接続したいと考える、開発者やハイテクマニアが対象だ。
他のデバイスとの接続を促進することは、Silk Labsの成功にとって不可欠だが、これは開発者らがすでに過剰なほどの選択肢を提供してきた分野でもある。複数のスマートホーム機器を協調させる他の取り組みには、Appleの「HomeKit」プロジェクト、Googleの「Weave」、Intelとサムスンが支援する「Open Interconnect Consortium」があるほか、AllSeen AllianceにはMicrosoft、Philips、ソニー、LG電子、キヤノンなどが加盟している。
Silk Labsは、このような他のテクノロジもある程度利用して、スマートホームの動作を自動化できるようにする予定だ。将来的には、Senseのようなデバイスの販売から利益を得るだけでなく、Silk Labsのネットワークに接続する製品群に対応するサービスを提供して利益を得ることを望んでいる。そうしたサービスとしては、調子の悪い食器洗い機が完全に動かなくなる前に修理が必要なことを警告する、見知らぬ人が自宅内に現れたときに動画を電話に送信する、といったものが考えられる。
「住宅には、センサーだけでなく、頭脳も必要だ」(Gal氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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